シリアス
【ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (4) (電撃文庫)/宇野朴人】本来はこういうのが戦記だと思う。内政を描いて国の在り方を描いて、世界観に深みをもたらす重要な話、なんだけど序盤じゃ絶対にできない... →https://t.co/svoODhfrUu #bookmeter— 水衛 (@…
これまた凄い作品を書いてきたな、けれど消化不良だなというのが正直なところだろうか。入間人間先生の作品は好きなのでよく読みますし、新刊を見つけると買ってしまうので今回もその例に漏れないわけだけれど、あまりにあっさりと終わったので少し拍子抜け…
小学校や中学校のクラス編成では偏りが出ないようにバランスよく生徒を配分するのは良く知られた話だろうと思う。勉強が得意な子、運動が得意な子、クラスをまとめられる子、どんなクラスになったとしても予め生徒がバランスよく配分されているのだからクラ…
絶望で彩られた世界の中で、希望となるボーイミーツガールを描く。「消閑の挑戦者」や「ムシウタ」でお馴染みの岩井恭平先生の新作。突如として人類の敵が現れたことで東京は侵入不可能の怪物たちの世界となってしまう。主人公は東京に閉じ込められた幼馴染…
高性能アンドロイド・アリスが普及した未来。人間とロボットとの交流を描いていく作品なわけだけれど、語られた物語はタイトルの通りに終盤になるまで真相を分からせない丁寧な作りで優しくて儚い悲劇となっている。愚者とは果たして誰を指した言葉なのだろ…
人が本を読むときというのは、どんなときなのでしょうね。一人になりたいからでしょうか。知識欲を満たしたいからでしょうか。ライフワークになってしまっていますかね。単純に暇つぶしなんでしょうか。むしろ何故人は本を読むのでしょうね。本を読んだから…
頬の筋肉が緩むこと緩むこと。文章を読んでいてここまで身悶えるラブコメは文句のつけようがない。一巻のときから感じてはいたのだけれど、主人公である優樹とヒロインである世界の関係が何だか明治大正浪漫とでもいいましょうか。どこか古風な間柄や距離感…
第21回電撃小説大賞<大賞>受賞作。 タイトルにある「ひとつ海」が示すように全ての陸が海に沈んでしまった青の世界で、主人公のアキが懸命に生きていく姿を描く、生きるとは何かを描く冒険譚。読み始めの印象はとにかく世界が青くて茹だる様な夏の暑さに…
心をグサグサと抉ってくるのがたまらない。学生諸君が抱えている友情だとか恋だとかの悩みのモヤモヤ感を、これでもかと眼前に突きつけられて思わず読んでる方が恥ずかしくなったり目を背けたくなる感じ――でもちょっと見てみたい、みたいな。天沢夏月氏が描…
やっと読めました。あとがきを先に読むことが多いので今回もその例に則ったわけですが、それによると上下巻構成となっているらしく本の物理的な薄さもあり、まとめて読んだ方が面白いという判断を個人的にしていたので4巻発売のタイミングで3巻を読み始めた…
月面から見る景色は数式が描き出した美しく優しい少女の心か、はたまた螺旋になって積みあがった摩天楼の強欲か。この世の富が集まる人類のフロンティアで流れる少年と少女の青春活劇が与えてくる刺激は心地よくも儚かった。 株式投資をテーマに金融とは何か…
ベテラン作家の素晴らしい安定感。シニカルシニカル。 好きなのは「私の戦争」でしょうかね。「アリソン」や「リリアとトレイズ」で読んだときに感じた胸躍るワクワク感と手に汗握る緊張感を短編ながら感じました。来月は電撃文庫で「ソードアート・オンライ…
天使と悪魔と死神と幽霊が登場しての連続殺人事件。要素を詰めるだけ詰めてのド下ネタ全開の会話劇に絶句しました。中でも強烈だったのは全裸ロリ死神でしょうか。死神の印象を根底から壊していくのに加えて、容姿的なことも含めて全てズレている。他の登場…
土橋真二郎さんの新作。人間の心理描写と残酷ゲームを展開する作品が多い作家さんですが、本作はゾンビと演劇と精神疾患をキーワードに、サスペンス風味な作品となっており、期待していた物語とは違ってしまいました。 購入前にあらすじを読まなかったのがい…
クースラかわいい!あれ? フィネシスが可愛いのは当たり前なのだけれど、毒が抜けたクースラはヘタレ度合いが増しに増しているのです。ウェランドには散々からかわれ、イリーネにはそんなことでは愛想を付かされるぞと窘められ、もはや可愛らしい。 薬種商…
第二章。 上手いですね。ギアを上げてくるというか、新展開を読ませるにしてもコチラが読みたいときを見透かしたように読ませてくれますし、達也が一歩を踏み出してしまった分岐点にしても描写する部分を丁寧に選択していて好感が持てる。 新キャラクターの…
スキルシステムを実装しました。 藤が活躍する「ラットマン」、敷島が活躍する「ねずみおとこ」にルート分岐し、お互いのやり方が明確になった今回。あくまで王道に、犠牲者を極力少なく自分が怪我してもがむしゃらにクリアを目指す藤。あくまで非道に、効率…
経産省の官僚とヤクザの娘が出会うことで、何かが変わる。 これまた凄いのが出てきた。まさに著者の作品という具合で、司法、メディア、警察を皮肉りながら、世界の裏側を描いていく。その裏側というのが、一般的に違法となるヤクザ側の世界で、麻薬、武器密…
あとがきの大振りで思わずニヤケながら、カバー外してました。すいません。 物語はいつものキノの旅で、コミカルにシリアスに、物事を斜めから見ていく感じが大好きですし、時に真面目に感動させてくる話を差し込んでくる辺りも好きです。裏切りません。 鉄…
カザンに辿り着いた果てに。 過酷だ。カザンに残された文献を読み、新たな工房を建設し、異教徒の町で一体どんな楽しいことが待っているのかと思えば、待ち受けているのは新たな試練。 マグダラを探し求める者として、幸せを教授することは出来ないのと漠然…
お盆なので久しぶりにやりました、Fate。 元々はPC版でプレイしたのですが、PS2版もプレイして、いまやPSV版まで発売しているのですよね。たまにやりたくなるのだけれど、プレイしていてたせいでライトノベルが読めないとはふがいない休みを送っています……。…
現実は楽しいことばかりじゃない。 タイトルからはラブコメを想像させるけれど、恋愛云々という作品ではない。ギャルゲーを作るという意味では、恋愛が絡んでいるとも言えるのだけれど。小説家を夢見ていた主人公が、現実を知り、成長する物語。 ゲーム会社…
これまた大型の現代ファンタジーが始動しましたね。封印されていた「マリアンヌの宝石箱」が解かれたことで、異能者たちが解き放たれてしまい。現代を舞台に戦いが巻き起こる――主人公はそんな争いの中心へと知らず内に片足を突っ込むこととなる。 圧巻なのは…
日本刀バトルアクション。 クライシス・ギアと呼ばれる人類の発明品が一般的に使われる世界を舞台に、主人公の九重慎が政府機関「特防」のエージェントとして、本来は人命を守る道具である「クライシス・ギア」を使った犯罪に立ち向かっていく。 一言で言う…
本当に素直じゃない。 クースラは相変わらず意地っ張りですね。大人なようでいて考え方などは子供なので、どうしても自分からお願いするだとかは出来ないのですよね。プライドとでもいうものでしょうか、恥ずかしいと考えているからなのか、気になっているの…
第14回えんため大賞 特別賞受賞作 武器の説明が面白い。これだけで物語に引き込んで、展開を盛り上げているのは本作の強みだ。 ゲームに提供される不思議な武器の数々は、元々が未来人の玩具なので、現代の感覚からすると異常兵器に映る。作った人間は狂気に…
最終巻。 ユヴィオールに全てを奪われた。アルトは幽閉されてしまいましたし、フォグとキリエは力を失ってしまっている。ここからどうやって逆転するのかというところで、それを見せてくれるのだから面白くないわけがない。 序盤から展開が盛り上がりに盛り…
これは凄い。卑屈で皮肉な八幡の思考形態をもって、弛んでなめ腐った文化祭実行委員会をぶっ破壊して創造し直した。目の覚めるような口撃は、鬱憤の溜まりきった読み手に爽快感と達成感を与えてくれる。しかしながら、その方法と周囲の反応は気持ち悪く、醜…
キノの旅、いつも楽しく読んでいるけれど、今回はいつも以上に面白く感じた。何故だろう。 死人達の国でスプラッターホラーを展開させたかと思えば、恋文の国でのミステリーチックなラブロマンスが展開され。フォトの話もある。国々の設定等で魅せていくキノ…
錬金術師クースラと修道女フェネシスのマグダラを目指す物語。 戦争が起こると技術が発展するのは昔から、新しい技術を探求するのなら戦争の最前線を目指すのが早い。錬金術にしてもそれは同じで、戦争中は異端も許される。逆を言えば、最前線でないなら異端…