Infinity recollection

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ウェスタディアの双星〈5〉乙女の猛攻に名軍師苦戦するの章 (電撃文庫) [感想]

ウェスタディアの双星〈5〉乙女の猛攻に名軍師苦戦するの章 (電撃文庫)

 

 内乱を治めたのもつかの間、今度は隣国がクーデターにより混乱。王族であるシャーラの亡命をルシリアは許可するが、ウェスタディアにまたもや不穏な空気が流れる。

 

 これが第三勢力への布石になれるか。

 

 クーデターから政権を取り返せれば、シャーラには貸しが出来るのでその後の国交にメリットがあるというわけだが、ウェスタディア側は逆に先手を打たれてしまう。

 

 全編がアルファーニの物語。もちろん脇を固める人達の物語もあるわけだけれど、メインはアルだ。

 

 アルファーニが苦戦するというのも実は初めてで、その根っこはシャーラとローゼにある。この二人がアルを巡って争うものだから、変なことになってしまった。

 

 シャーラは亡命したとはいえ国賓として迎えているので、無下に扱うわけにはいかない。必然的にシャーラが優先になってしまって、ローゼとの関係がぎくしゃくしてしまう。

 

 ラブコメが前提で物語があるわけだけれど、それが戦争での危機に繋がるとは。二人の絆で敵を倒すという構図は良い。

 

 けれども、そこに持って行くまでのシャーラとローゼの争いは案外あっさり終ってしまう。もう少しややこしくなっても面白かった。女の戦いを読んでみたかったのかもしれない。

 

 また、シャーラがあまり魅力的に映らないのは残念な点。ローゼを応援出来るのはいいのだが、シャーラに魅力があれば見方も変わったかもしれない。

 

 あらすじと絵を見た印象で、意外とルシリアのように静かな女の子なのかと思っていたのだけれど、アル以外への対応など自分勝手に映ってしまったのですよね。

 

 面白かったけれど、どこか物足りないと感じてしまうのは何故だろう。

 

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