Infinity recollection

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銀の河のガーディアン (富士見ファンタジア文庫) [感想]

銀の河のガーディアン (富士見ファンタジア文庫)

 

 コンセプトは宇宙で魔術。

 

 その通りに宇宙で魔術をしていました。銀河を支配している帝国があり、主人公とヒロインはそこの軍人。帝国には魔術が根付いており、歴史的に背景が複雑で、同盟と呼ばれる帝国の敵もいたりして、SFらしさはある。

 

 ロボットそのものが魔術師の巨大な杖となる。

 

 帝国は宇宙空間での戦闘にロボットを使うのだけれど、それらは魔術師が乗り込み、その魔力で操縦する。艦隊もないわけではないが、今回描かれるのはロボットでの戦闘が主だ。また、艦隊も魔力で動かす。

 

 ただ、宇宙だったりSFの要素。あるのだけれど、どこか薄い。

 

 それらは、一巻ということもあって、人物紹介と世界観紹介の意味合いが強いのが原因の一つだろうけれども、物語がロボット戦闘だけになってしまっているのも原因で残念だ。

 

 終始、ロボットで戦っている印象で、魔法を駆使して戦う面白さをまずは描いていた。分かりやすさを重視したのだろうけれど、設定の深さがまだ読めないところで戦闘をしているので、本当にそれだけになってしまっていて、薄いなと印象付けさせる。

 

 一巻では宇宙にいるということを忘れそうになってしまうというか、それくらいに宇宙という印象が弱い。事件にしても、その規模に見合うような重要性を感じられなかった。

 

 SFらしさや宇宙らしさを表現する用語が登場したりもするのだけれど、簡単な説明しかされないので物足りない。どうしてもSFならこうあるべきではないかという考えからか、物語の深さは気になってしまう。

 

 登場人物の関係性だったり距離感は魅力的なので、その点は良かった。主人公が無口だけれど、戦うと強いというのも、分かりやすくて好感が持てた。

 

 設定や世界観含めて、続きを読まないことには面白さが分からない部類の作品ですし、その期待は高い。なので、二巻も読んでみたい。

 

 Presented by Minai.

銀の河のガーディアン (富士見ファンタジア文庫)

銀の河のガーディアン (富士見ファンタジア文庫)