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百億の魔女語り 1 オトコが魔女になれるわけないでしょ。(ファミ通文庫) [感想]

百億の魔女語り1 オトコが魔女になれるわけないでしょ。 (ファミ通文庫)

 

 格好良い、けど何か間違ってる。

 

 男の子なのに魔女を目指す物語。主人公は女装をしたりして、何とか卒業証書を獲得するために奮闘するわけですが……、個人的に女装云々で男が女として生活する、みたいなお話というのは苦手だったりします。

 

 昔と比べると苦手具合も克服されてはきているのですが、それでも無意識に避けている傾向がある。今作に関しては、その要素があるにはあるが、挿絵などから薄いだろうという認識のもとで手に取りました。

 

 正解でした。あるけれども、きつくないですし、物語の重要な部分を担っている。加えて、主人公のアルトが男の娘ではない、ということに好感が持てました。

 

 女装する変な奴なのだが、格好良さがある。

 

 序盤、早々に女装をやめてしまうのも読みやすくてよかったし、何よりスポーツマンからくる男らしさと、周りの女の子たちの可愛らしさ。このバランスが良かった。

 

 エーマは正統派の素直になれない子でしたし、物語が進むごとにアルトのことが気になっているのが見れるので読んでいて楽しい。あと、静かなモニカも好きです。今回は出番こそ少ないけれど今後に期待が持てる。

 

 次への期待が非常に高い。

 

 様々な部分で期待してしまいます。キャラクターの関係性という意味でもそうですし、世界観や設定という意味でもそうで。

 

 物語がラブコメには違いないので、ラブコメらしさはあるけれど、世界観や設定は案外深くてシリアスさも垣間見える。それが溶け込んでいて違和感がないのは上手い。

 

 アルトは≪ネタバレネタバレ≫ですし、今後の展開に期待しない方が不自然というものでしょう。面白かったです。

 

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