天体の回転について (ハヤカワ文庫JA) [感想]
思わずな衝動買いであり、ジャケ買い。
書店による前に、どうでもいいような天体やら宇宙やらの話をしている流れで、ハヤカワ文庫の棚に向ったら、これが平積みされていた。目に付いたので思わず。タイトルも気に入った。
短編8作が詰まった本となっている。
ハヤカワ系ということでSF、なのだが、この作品はそのSFをあまり感じさせない。確かにSFの領域ではあるのだが、詳しい説明は省いている印象もあって、それでいて不可思議なことをする。
物語がダークだったりハードだったりもするので、一種、ホラーやサスペンスの要素が垣間見えるし、ファンタジーだったりもする。
なので、SFらしい本というよりは、不思議な話が詰まった本と言い換えた方がいいのかもしれません。SFらしさを読みたくて買うと、ちょっと違うという感想になるのかも。
表題作である天体の回転については中々楽しめた。軌道エレベーターなど使って月を目指そう、というような話だが、事前に軌道エレベーターの話をしていたこともあって、興味深かった。
何より、導入部分としてはSF初心者にも優しく書かれているように映るので、そういう意味でも良い。
また、他の話もホラーの中にユーモアがあったり、トリックを挟んでみたり、バラエティに富んでいる。時空争奪などは狂った感じが出ていて良かった。
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- 作者: 小林泰三,KEI
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/09/10
- メディア: 新書
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