Infinity recollection

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レジンキャストミルク (電撃文庫) [感想]

レジンキャストミルク (電撃文庫)

 

 ダーク学園ファンタジー

 

 序盤を抜ければ後は素直に読めてしまうし、シリーズという意味でも一巻が楽しめるなら楽しめるのだろう。累計で見たときの掴みが上手いなと思わせる作品だ。

 

 個人的に著者への印象なのだけれど、一巻としての序盤の掴みという意味ではなくて、シリーズ通しての掴みとして良くできている。一巻として見ると不満な部分もある。

 

 それは、序盤に説明がなされないことで読み難いと感じてしまうことであり、相変わらずの登場人物の多さで、いかにもこれから展開していくのだと思わされることだ。一見してそれらはマイナスに読める。

 

 けれども、そこはあくまで全体としてのバランスを考えているからで、設定や世界観に不満な部分はない。キャラクターの描き方も上手く、魅力的。

 

 読み終わったときには、次を読みたくなっている不思議。

 

 物語に浸透しているダークさは著者らしさで、設定が細かく作りこまれていることが窺えるのは好感が持てた。キャラクターが可愛らしいのに物語がダークというギャップも良い。

 

 硝子と晶、芹菜もそうだけれど、登場人物たちの関係性が読んでいて楽しめるし、日常と非日常の対比がこれまた面白い。

 

 物語は何とも後味の悪い、不快な暗さの残る話なのだけれど、それを上手くバランスとっているのは流石だった。

 

 Presented by Minai.

レジンキャストミルク (電撃文庫)

レジンキャストミルク (電撃文庫)