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Infinity recollection

ライトノベルを中心に感想を載せているサイト。リンク+アンリンクフリー。

二年四組 交換日記 腐ったリンゴはくさらない (集英社スーパーダッシュ文庫) [感想]

二年四組 交換日記 腐ったリンゴはくさらない (集英社スーパーダッシュ文庫)

 

 第9回SD小説新人賞 佳作受賞作

 

 パズル感覚の学園青春小説とあるけれど、まさにそれだった。最初は欠片だったものが徐々に組みあがっていき、後に完成する。流れは読んでいて楽しい。

 

 本作は登場人物たちが交換日記をしていくことで、物語が進むのだけれど、その登場人物の名前が明かされないので、読み手はそれを探っていくことになる。

 

 個々を表現する渾名で呼ばれたり、本名で呼ばれたり。果たしてこの人間は誰なのだろうと予想しながら読むのが楽しめて、中盤まではそれに夢中で物語はあってないようなもの。

 

 しかしこれが後半で生きてくる。

 

 というのも、本名と渾名の関係は中盤で見当が付いてしまうので、本名当てクイズだけで物語が終るわけではないのだ。

 

 中盤までに起こる各々の活躍、暗躍、一見して繋がりがないように見えて繋がっていて。本名を当てる話だと思っていたのが、いつも間にやら大きな物語に入っている。

 

 また、個性あるキャラクターが話を面白くしてくれた。人数は多いので把握するのには手間取るが、各々に魅力があって、その関係性から作品の楽しさを引き出していた。

 

 35人もいるのだから、誰かしらお気に入りのキャラクターは発見できるだろう。それを見つけるのも楽しみの一つ。個人的には、久留米と橘が好きですね。久留米なんかは主人公になれる逸材な気がします。

 

 これだけの人数を動かして、青春やらせて、暑い展開に、高校生が関わるには難しい問題を個人個人のハイスペックで解決に導く。ごちゃごちゃとしているのに破綻していないのは素直に凄い。

 

 一冊でまとめるには勿体無い、物足りないという気はしつつも、まとめた手腕は新人さんとは思えない出来の良さでした。面白かった。

 

 Presented by Minai.

二年四組 交換日記 腐ったリンゴはくさらない (集英社スーパーダッシュ文庫)

二年四組 交換日記 腐ったリンゴはくさらない (集英社スーパーダッシュ文庫)