Infinity recollection

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“菜々子さん”の戯曲 小悪魔と盤上の12人 (角川スニーカー文庫) [感想]

“菜々子さん”の戯曲  小悪魔と盤上の12人 (角川スニーカー文庫)

 

前作が中学生だったのに対して、高校生編。

 

どのように続けるのかと思っていたら、高校生編としてシリーズが続くよう。二巻から読んでも話が理解できる安心設計ですし、短編集の連作形式みたいになっているので、こちらの方がよりマイルドになっていて読みやすい。

 

新入生の宮本を主人公として物語が進む。

 

主人公が変わっているのも新鮮だけれど、高校生になった奈々子さんは宮本の先輩であり、後輩から見た奈々子さんという視点が新鮮でした。

 

宮本からすれば、奈々子さんには入学早々に助けられていて。成り行きで映画研究会に入ったけれども、そのミステリアスな雰囲気と暗さ黒さに、彼が徐々に惹かれ始める。

 

ラブコメではないが、宮本と奈々子さんに天坂舞と、ふとしたところで青春が滲み出ているし、この関係がどのようになるのか楽しみではある。

 

また、物語に溢れるミステリーな雰囲気はそのまま。

 

学校内で起こる謎を解決していくわけだけれど、真相が思わぬところに繋がっていたり、逆に大したことなかったり。裏で操っている菜々子さんも健在で、宮本に対して問題を投げかけるというのも良い。

 

事件を追う楽しさと、小悪魔な奈々子さんを読む楽しさがあって、ここから更に広げられそうなのが凄い。面白かった。

 

 Presented by Minai.