Infinity recollection

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傾物語 (講談社BOX) [感想]

傾物語 (講談社BOX)

 

かみまー。

 

八九寺がメインのお話、まよいキョンシー。けれども、八九寺はあまり登場しない。終始、暦と忍の語りで物語は進む。というか、二人しか登場しないといっても過言ではない。八九寺メインなのに登場少ないとはどういうことか。

 

あとがきでもあったけれど、内容もまよいキョンシーというよりは、まよいゾンビ。予想通りにいかないのは著者らしいといえばらしい。

 

怪異がいるなら時間跳躍くらいできる。

 

そんな流れから物語は始まっていくこととなるが、これを考える忍も流石というべきなのだろうし、それに乗っかる暦も暦。過去を変えるその内容を思いつき方も二人らしくて好きだ。

 

八九寺の交通事故を阻止できるはず。

 

改めて考えてみると、八九寺は生きていれば暦よりも年上でお姉さん。そんな大人バージョンの八九寺が読めたのは嬉しかった。

 

大人の八九寺は礼儀正しくて、見事に暦の影響を受けていたわけだけれど、このルートの暦は失敗していて、こちらも見事に影響を受けている。

 

八九寺という少女は今の暦を形作る上では、大切な存在であるし、過去に不必要なことは無くて。そんな暦に感じ入るものがあった。

 

まよいは道に迷い続けていたけれど、道を間違えたわけではない。暦の夏休みの宿題は終わらなかったけれど、暦が選んだそのルートも間違いではなかったはずなのだ。

 

面白かった。

 

 Presented by Minai.

傾物語 (講談社BOX)

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