Infinity recollection

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おまえなんぞに娘はやれん (電撃文庫) [感想]

おまえなんぞに娘はやれん (電撃文庫)

 

主人公の隼人はいつも何かを忘れている気がしながらも、日々を過ごしていたのだが、高校の部活説明会にて家庭科部の部長を務める霧島萌を見た瞬間、忘れていたことを思い出す。それは前世の記憶だった。

 

彼女は僕の娘だ。

 

前世で萌の父親だったことを思い出した隼人が、高校生でありながら父親らしく振舞う。萌は隼人の先輩なのだが、前世では親子なので、そのややこしさというか、キャラクター間での違いから生まれる差が面白かった。

 

娘を思う父親。だから、萌に近付く男はそれなりの男でなければ許さない。そこに隼人が入るのかと言えば、自分は彼女の父親だからそれには含まれないと語る。けれども、彼女のことを大切に接するので、周りには隼人が萌のことを好きだと映る。

 

周囲には隼人が高校生で萌の後輩という意識があるだけなので、そうなる。この噛み合わなさが、そのまま作品の魅力であり、中盤から隼人が萌のために動き回るのは良かった。

 

可哀そうだったのは幼馴染のたらちねだろうか。終盤になって萌に掛かりっきりになる隼人に嫉妬してしまう彼女は可愛らしく、また隼人の何気ない一言から機嫌を直してしまうたらちねは可愛らしかったけれど、そこまでは扱いが不憫だった。

 

微妙だったのは、登場人物の動き方、ラブコメで生徒会長と戦うところなどに違和感を感じてしまった点。コミカルさや意識の差からの面白さは感じるのだけれど、読み進めていく中で浮き沈みを感じてしまった。

 

家族愛から作品をまとめたのは上手いと思うのだけれど。

 

 Presented by Minai.

おまえなんぞに娘はやれん (電撃文庫)

おまえなんぞに娘はやれん (電撃文庫)