うちの魔女しりませんか? (ガガガ文庫) [感想]
この可愛い生き物を、私にちょうだい!
人間とは別の生物、魔女がいる世界。魔女はその希少さから絶滅危惧種に指定されており、つい最近に最後の魔女が死んだという。しかし、ふとしたことで主人公の文哉は魔女の少女を発見してしまう。少女にミラという名前をつけて、家に連れて帰ったのだが――。
とにかくキャラクターが可愛らしい。
ミラは魔女なので人間とはコミュニケーション方法が違う。まずはそこで文哉が四苦八苦しているのが面白いし、少しずつコミュニケーション出来るようになると、ミラの小動物的な可愛らしさにやられる。
食べ物をあげたら懐いたというのも面白いし、タイ焼きを頬張る姿は愛らしすぎる。それに、文哉とミラの二人が、少しずつ家族になっていくのが読んでいて良いなと思えた。
また、文哉のクラスメイトの茉莉も可愛らしかった。素直になれないけれど、ミラの世話は焼きたい。ミラが喜ぶと茉莉も嬉しい。我儘なお嬢様だけれど、ミラと二人のときに見せる仕草や態度には微笑ましいものがある。
リョータと二人になったときの茉莉も読みどころではある。これもまた文哉に接するときの茉莉ではなくなるので、面白い。
これらキャラクターの魅力があってから、魔女とはずっと一緒にいることは出来ない、隠し通せないという別れに、自然と物語は流れていくわけだけれど。ここで一騒動がある。これに関連して、引きの部分が物足りないのは残念な部分。
しかしながら、文哉とミラの関係、ミラと茉莉、四人の関係などを読ませた後に事件があり、最後は自然と切なくなれるのには好感が持てた。
面白かった。楽しませてもらいました。
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