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Infinity recollection

ライトノベルを中心に感想を載せているサイト。リンク+アンリンクフリー。

花咲けるエリアルフォース (ガガガ文庫) [感想]

花咲けるエリアルフォース (ガガガ文庫)

 

戦争によって家族を失った主人公の佑樹は、学校を転々とする。しかし、東京のある中学校に転校したとき、佑樹を迎えにきたのは不思議な飛行兵器とパイロットの少女、桜子だった。戦闘機の適合者に選ばれた佑樹は、戦争に巻き込まれていく。

 

切なさが突き刺さる物語。

 

日本が箱根を境界線として皇国と民国に分かれて戦争をしているのだが、お互いに戦争を止められない状況になっているというのは、何とも言えない。

 

戦争を描いているが、そこには佑樹の成長も含まれていて。転校ばかりしていたために、友達を作ろうとしない佑樹が、始めて友達を作ろうと思えた。

 

思えたばかりか、自然とそうなった。それがクラスでの桜子の状況を変えようとしたし、始発電車に乗り込もうとする佑樹が走り出す理由にもなっていたのは良い。

 

また、戦闘機・桜花は圧倒的な戦闘力を持っているのだけれども、靖国から離れると運用が出来なくなってしまう欠点と、代償もそれなりにある。

 

佑樹の初戦闘で、桜花に引き込まれそうになったあの現象。ゲームみたいだと口にしていた佑樹が、戦争を体感して思い出した瞬間だった。桜花はたった九機しかないというのも、物語を重くしている。

 

戦争と日常を平行して描いていくことで、冷たさと温かさが美しかった。

 

中盤ではそれまでに予想できた通りに最悪の未来が待ち受けているのだけれど、そこで桜子が涙を見せられない理由と、それでも涙を流して良いと後ろを向いた佑樹。二人の関係性が良かった。

 

ただ、学校生活が少ししか描かれなかったことは残念。佑樹が桜子の立場を変化させようとしていたので、そこでクラスメイトと何かあればもっと楽しめた。そこは物足りなさに映った。

 

面白かった。

 

 Presented by Minai.

花咲けるエリアルフォース (ガガガ文庫)

花咲けるエリアルフォース (ガガガ文庫)