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Infinity recollection

ライトノベルを中心に感想を載せているサイト。リンク+アンリンクフリー。

世界平和は一家団欒のあとに〈9〉宇宙蛍 (電撃文庫) [感想]

世界平和は一家団欒のあとに〈9〉宇宙蛍 (電撃文庫)

 

ある日、七美から一人の少女を預かるよう頼まれた軋人たちは、ナナというその少女を、柚島の家で世話をすることにした。柚島はナナにデレデレで、軋人にしてもナナに気に入られようと必死になる。しかし、徐々にナナの周りには不穏な影が見え始め――。

 

何もかもを超越したような星弓家の次女、七美がメインのお話。

 

七美は力を持っているが故に、これまでは登場する機会が少なかった。七美が力を発揮すると全員を倒してしまえそうだし、解決してしまいそう。けれどもそれは、してしまいそうに止まって。七美も自分のことは把握している。

 

宇宙規模で活躍する七美だからこそ、考え方も宇宙規模。

 

これまでは七美がいたことで地球が侵略されずに立場を守ってこれていた。それが今回、ナナという一人の少女を守るために、七美は地球を天秤にかけることになる。だからこそ、より穏便に済ませるために宇宙を動き回って解決策を探るのだけれど、上手く行かない。世界平和を取るのか、日常の平和を取るのか。

 

子供の頃の七美は力が制御できなかったこともあって、弟妹に触れようとはしなかったのだけれど、力を制御できるようになった今は、ナナをこれでもかと可愛がっている。始めてそう思えたのだろうし、自分の娘のように振舞う姿が微笑ましかった。

 

そんな七美とナナの関係が物語で描かれていくのが魅力。

 

これを守るために力を貸してくれる姉や弟の頼もしいこと。世界平和より一人の少女の運命を取りに行くばかりか、両方とも掻っ攫おうとするのは格好良かったし、流石は星弓家だった。

 

また、今回は確かに七美のお話だったのだけれど、相変わらず軋人と柚島の話でもあった。結婚してしまえ、とは何度も言ってきたこの二人ですが、その実、付き合ってもいないという不思議。

 

ナナを世話するという目的がありつつも、そこには一つの家族がいた。どちらがナナに好かれているかで口論になるのは、子どもを持った親ですし、子どもは女か男かで口論になるのはもう結婚何年目の夫婦だよと。終始、ニヤニヤしっぱなしで和みました。

 

面白かった。宇宙蛍が見せてくれた輝きは、本当にかけがえのない光だった。

 

 Presented by Minai.