Infinity recollection

ライトノベルを中心に感想を載せているサイト。リンク+アンリンクフリー。

世界平和は一家団欒のあとに〈10〉リトルワールド (電撃文庫) [感想]

世界平和は一家団欒のあとに〈10〉リトルワールド (電撃文庫)

 

ずっと一緒にいてくれる?

 

柚島さんがいなくなった。一通のメールを残して何日も戻らない。軋人は心配していない風を装うけれど、やはり考えることは柚島さんのことばかり。

 

ゲームセンターで梢にからかわれたりする軋人だけれど、この行動は柚島に怒られるだとか、そういやあのとき柚島は――だとか、自分でも気付いていない、素直になれないところで柚島さんを大切に思っているのが伝わってきた。

 

事を同じくして、星弓家の人間が襲われ始める。

 

七美という最大戦力がいない今、美智乃や刻人の能力が奪われる事態に。軋人としては柚島さんのことがあって、わけも分からず事件に首を突っ込んでいく。

 

中盤からの展開は良かった。これまで柚島さんが抱えてきた真相が明かされるわけですが、軋人はそんなこと関係なく助けに行く。連れ戻すために必死。

 

家族に会いたいという柚島さんの気持ちも分かるけれど、同じような境遇の軋人だからこそ、それは無理なんだと言える。家族に会いたい柚島さんが、軋人に助けられる。血は繋がっていないけれど、家族に助けられた気がした。

 

嫌だったら突き飛ばせという軋人に抱きかかえられる柚島さんの姿は感慨深かったですし、手を取り合えて本当によかったと安堵しました。

 

世界を救うのもいいけれど、家族を救うのもいいじゃない。

 

凄い能力を持った人ばかりで、世界でも救えてしまうけれど、その英雄たちが家族を守るために戦った。最後まで家族を見せてくれた。

 

最高に面白いシリーズでした。次の作品にも期待しております。

 

 Presented by Minai.