Infinity recollection

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火の国、風の国物語7 緑姫憂愁 (富士見ファンタジア文庫) [感想]

火の国、風の国物語7 緑姫憂愁 (富士見ファンタジア文庫)

 

いよいよ北の軍勢、ミレスデン軍がアレスたちの前に立ちはだかる。王国軍と解放軍は一時的に共闘するという形をとり、ベールセール軍とミレスデン軍の戦い、国と国との戦争が描かれる。

 

毎回のように言うが、アレス強すぎる。

 

国民や仲間が危険に晒されたところで颯爽と登場しては、敵を斬って斬って斬りまくる。ミーアと力を合わせているからアレスは無理を出来るのだが、それにしたって無双だった。

 

味方が劣勢と見るや助けに入るので、将軍であるフィリップのところにはアレスに助けられたという報告が次々と舞い込んでくる。これにはフィリップも功を認めないわけにはいかなくなり、彼の苦虫を噛み潰す顔が浮かんで何とも痛快。

 

終盤では、これまで一騎当千の強さを発揮してきたアレスが、本当に昔話にでも登場するような英雄になってしまうのだから強烈だ。アレに真っ向から勝負を挑み戦う場面はまさに英雄譚に相応しいし、何より勝利してしまうのだから流石だ。

 

また、ハインツ王太子の食えなさ加減にも注目。フィリップ将軍に反対の姿勢を見せると思えば、直ぐに方向転換する。王太子の一人称で語られることがないので、全く何を考えているのか掴みどころがない。

 

ただ、期待したほど物語に変化があったわけではないので、そこは残念。もっと何かあるのかと期待した。姫巫女の扱いなどは潔いけれど、もったいない気がしなくもない。彼女の存在が今後のアレスには重要だったのだろうけれど。

 

何にしても面白かった。続きも読みたいし期待している。

 

 Presented by Minai.