Infinity recollection

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雨の日のアイリス (電撃文庫) [感想]

雨の日のアイリス (電撃文庫)

 

涙が止まらなかった。

 

終盤はずっと泣きながら読んでいて、ここまで本気泣きするものなのかというくらいに泣きながら読んだ。そもそも、この感想を書いている今だって泣いている。いつになったら涙が止まるのか。

 

物語は何か新しいことをやっているわけではない。ロボットと人間の関係を素直に正面から描いているだけだ。だけなのだけれど、これはずるい。幸せだったはずのアイリスに次々不幸がやってくる展開は読んでいて辛かった。

 

ロボットの友達が出来て小さな希望を見つけたと思ったら、それが一瞬で瓦解する。それでも立ち上がって光を見つければ、また絶望がやってくる。どうしてそうなるのか悲しい気持ちになる。けれども読み終わってみると、温かさに包まれていて、ひたすらに優しい物語だった。

 

人間とロボットの違いは何なのだろう。

 

ロボットを蔑ろにする人間の醜さ怖さみたいなものが強烈。感情を手に入れたロボットたちをどうしてここまで酷使することが出来るのだろう。感情があるならそれはもう人間ではないのか。アイリスの気持ちが丁寧に描かれるので、ロボットが解体されてしまう場面は本当に心が痛んだ。

 

人間を大切に思ってくれるロボット。ロボットがお互いを大切に思い合う気持ちが伝わってきた。面白かった。満足だ。

 

 Presented by Minai.

雨の日のアイリス (電撃文庫)

雨の日のアイリス (電撃文庫)