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魔王なあの娘と村人A 幼なじみは勇者です (電撃文庫) [感想]

魔王なあの娘と村人A―幼なじみは勇者です (電撃文庫)

 

人には個性があるが、稀に「個性者」と呼ばれる特殊な個性をもった人間がいる。個性者は戦士や魔法使いといった個性を持っていたりするのだが、大抵の人間は村人くらいにしかなれない。主人公はそんな村人の一人なのだが、何故だか魔王の個性を持った竜ヶ峯桜子に目をつけられてしまう。

 

タイトルから想像していた物語とは少し異なり、違和感があった。個性にファンタジーの職業を当てはめるのは楽しいのだけれど、その設定で物語をどこに着地させたいのかが見えなかったのは残念。

 

竜ヶ峯が可愛いな、で完結してしまった印象を受けた。

 

魔王と勇者の板ばさみにあう村人。竜ヶ峯は人類を滅ぼす計画を実行しているつもりなのだけれど、あまりにも長期計画だったりするので、悪事が悪事になっていない。魔王が世界を幸せにするという不思議な構図に。

 

しかし、この悪事になっていない悪事を勇者の個性を持つ光ヶ丘翼だけは分かってしまうので、勇者の使命として魔王を止めようとするのだが、そもそも悪事よりは良いことをしている竜ヶ峯を止めるわけなので翼の方が悪者扱い。

 

勇者と魔王の立場が逆転しているのは面白かった。また、最後まで読んだときに恐らく一番言いたかったことであろう部分があるので、それを読むために一読する価値はあるのかもしれません。お話自体は二巻から、といったところでしょうか。

 

 Presented by Minai.