Infinity recollection

ライトノベルを中心に感想を載せているサイト。リンク+アンリンクフリー。

氷結鏡界のエデン7 空白洗礼 (富士見ファンタジア文庫) [感想]

氷結鏡界のエデン7 空白洗礼 (富士見ファンタジア文庫)

 

第一楽章、完結。

 

潜入部隊に志願したシェルティスだったけれど、選ばれるのは小数のみ。その他は待機組として塔に残らなければならないので、名前を呼ばれるかどうか始まりからして好奇心を止められなかったわけだけれど、いざ異篇卿の拠点へ潜入するとそれ以上の高揚感が待っている。

 

レオンの敗北――。

 

異篇卿の方はシェルティスやレオンが潜入することを察知していたので、見事にしてやられたというか。待ち伏せに合ってしまいます。各個撃破を試みるのだけれど、読んでいる最中からこれは負けると思わされたし、勝利という二文字が見えてこない強さだった。

 

全てはイグニドの計画通りに進められていた印象。まさに情報の嵐。

 

エピソード1が完結ということもあって、今まで謎だった部分が大きく開示された。スフィアとエデンの秘密などは納得。個人的にも数字の並びが気になっていたので、それが分かるのは気持ちが良い。

 

また、いつシェルティスが魔笛を宿していることが公になるのかと思っていたが、最悪のタイミングで知られることになる。ユミィに悩みを打ち明けるモニカに、昔を思い出すレオン。全ての事柄が連鎖反応的に発火していくので、読んでいて無駄な部分がなかった。

 

これからのモニカとユミィの関係が不安になるし、何より誰もが混乱している中でのことなので、シェルティスは立場がない。今後、矢面に立たせられるのは間違いなくシェルティスで、そんな彼の姿が浮かぶ。

 

3年前と同じように雨に降られているシェルティスが、己の成長を見せるがごとく立ち上がるのは感慨深い。もう一度目指す。目標は定まっている。絶対に倒れないという強い意志が感じられました。矢面に立たせられても、今のシェルティスなら大丈夫。

 

エピソード2、第二楽章へと繋がるプロローグ。面白かった。

 

 Presented by Minai.