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魔法科高校の劣等生 1 入学編 上 (電撃文庫) [感想]

魔法科高校の劣等生〈1〉入学編(上) (電撃文庫)

 

魔法というものが世界に認知され、一般化した日本。魔法は高度に技術科され、魔法を教える魔法科学校まで存在するようになっていた。学校では才能ある生徒たちが日々魔法を学んでいるのだけれど、才能がある生徒は一科生、才能の劣る生徒は二科生と明確に分けて魔法が教えられており、そこには表立っては禁止されているものの生徒間での差別や摩擦があった。

 

主人公は二科生として入学する。

 

入試のペーパーテストは誰よりも高得点をとったものの、実技が苦手である主人公の達也は二科生として入学。逆に妹の深雪は主席入学の一科生。この兄妹が入学早々に生徒会に関わることで物語が始まっていく。

 

優等生と劣等生。

 

周りから見えれば妹が優等生で兄は劣等生なわけだけれど、冒頭からして明らかに兄の方は自らの才能を隠している雰囲気が見て取れるので今後の展開を期待させますし、読んでいる限り主人公が最強なので安心して読める。

 

キャラクターとしても達也は冷静沈着でありクールな性格と、一歩先を歩いているような大人びた雰囲気が良かった。熱くなりすぎず、でも知識はあり強いという素直に格好良いのが彼の魅力。

 

また、シスコンであるというのも読み手を楽しませる。見守るように深雪を大切にする達也は、優秀な妹に対してかなり甘いところがある。けれども、妹は兄以上にブラコン。兄に見知らぬ女の子が近づくと嫉妬したりするのだから可愛いですし、当然ながら兄は妹が怒っている理由に気付かない。

 

そんな二人の関係性がとても魅力的に映った。距離感も自然で、他のキャラクターが踏み込めない雰囲気ある。今後もシスコン、ブラコンの二人をニヤニヤしながら読んでいきたいです。

 

その他、クラスメイトやらが沢山登場するのだけれど、それぞれが才能をもっているのでそこを想像するのが楽しいですし、キャラクターとしても個性的な人たちが揃っているので見ていて飽きない。

 

ただ、世界観や設定の説明が乱立していたのは気になった。上手くまとめて読ませる位置を考えていた印象を受けたが、それでも多い。しっかりと練り込まれている設定なだけに、読み解くのに時間がかかってテンポを失う場面が何度かあった。加えて、キャラクターの多さも読む人によって印象が分かれるだろう。そういう意味では評価が難しい作品。二巻でどうなるか、というところだろう。

 

面白かった。続きは来月なので楽しみに待ちたい。

 

 Presented by Minai.