Infinity recollection

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九十九の空傘 (ガガガ文庫) [感想]

九十九の空傘 (ガガガ文庫)

 

人間がいなくなった世界で、自分は何者なのか、何故ここにいるのかも分からず彷徨っていた少女は青年に出会う。青年が言うには、少女はモノに宿る九十九神で、自分も九十九神なのだと説明される。世界に置き去りにされてしまった神様たちの切ない物語。

 

モノに宿った想いが形になる。

 

九十九神たちは人間の姿をしているのに、その人間は既に死んでいる。あくまで寄り代となった物体が本体で、そこに想いを残した人間の姿を映しているだけ。人間ではないけれど、人間らしく生活しようとしている九十九神たちの姿はどこか哀愁を誘う。

 

物語は二部構成になっていて、一部で主人公であるカサが救われる話。二部でカサが九十九神たちを救う話に分かれる。記憶をなくして自らの強い想いが何に対するものなのか分からない九十九神に、願いが叶うように想いを探す。

 

手掛かりがない中でも、地道に一生懸命に探していくカサの姿が良い。そんな彼女を見てシグは何を思うのだろう。優しい気持ちになれる作品でした。

 

面白かった。

 

 Presented by Minai.

九十九の空傘 (ガガガ文庫)

九十九の空傘 (ガガガ文庫)