Infinity recollection

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脱兎リベンジ (ガガガ文庫) [感想]

脱兎リベンジ (ガガガ文庫)

 

第5回小学館ライトノベル大賞 ガガガ賞受賞作

 

宇宙人と言われ友だちのいない兎田。彼は軽音楽部に所属していながら、いないものとして扱われバンドに入れてもらえない。挙句には文化祭の練習の邪魔だからと部室を追い出されてしまう。それでも一人で練習する兎田は、偶然にもその練習を兎毛成結奈に見られてしまい。

 

――これがリベンジだ。

 

まさに青春モノ。バカにされてきた主人公が、バカにした相手を見返してやるために努力して勝ち上がる。才能がある奴が輝けない世界なんて間違っている。そんな世界はねじ伏せてやれ。熱くクールな作品でした。

 

軽音楽部の部長からは、お前のギターは下手だと言われ続けた兎田だが、ギターの腕前は並みの高校生を凌駕するもの。部長は嫉妬や恐れから兎田に文化祭には出て欲しくないだけで、小物っぷりを絶賛アピールする悪役が実に板についていた。

 

悪役である先輩はあの手この手で邪魔をしてくるので、それに立ち向かう兎田も熱かったですし、最終的にこの先輩の鼻先に一発ぶちかますのだと思うと爽快で楽しみで仕方がありませんでした。

 

また、兎田を手伝ってくれる仲間たちがまた一癖も二癖もあって。彼ら彼女らも悩みや問題を抱えているのだけれど、兎田と違って真正面から対峙している。お菊や金シュロと出会い、その生き様を目に映すことで兎田の考え方が変わる切欠となる。

 

物語の終わり方としては、当たり前のようにクールに終わる。けれども、現実とはそういうものなのかもしれない。主人公の選択は男らしい。

 

良い青春をありがとう。面白かった。

 

 Presented by Minai.

脱兎リベンジ (ガガガ文庫)

脱兎リベンジ (ガガガ文庫)