人類よ私に奉仕なさい (一迅社文庫) [感想]
すべての知的生命体は「支配種族」と「奉仕種族」に分類される。人類は最近発見された知的生命体なので、「奉仕種族」として「支配種族」に奉仕する義務があるらしい。主人公である冥の元に現れた「支配種族」の仮子さんは、人類に奉仕契約を要求する。
学園ラブコメ。
支配種族や奉仕種族などのSF要素がある割には、核となっているのはラブコメ。SFが関係ないとは言わないけれど、支配と奉仕が密接に絡んでくることはない。
一緒に暮らすことになってしまった仮子さんが、一生懸命に人類の考え方を勉強しようとしている姿が印象的。冥との共同生活を通して、支配と奉仕という関係ではなく、友達という関係で繋がろうとする二人が良かった。物語が進むごとに、実は無理をしていた仮子さんが描かれるので、より可愛らしく映る。
主人公の冥がはっきりしない流されるタイプのキャラクターなので、言動にやきもきすることはある。また、冥の友人たちがどうにもはっきりしないというか、どうしてそういう役割を持っているのか、どこに着地させたいのかが見えてこなかったのは残念な部分。
宇宙人の価値観と人類の価値観の違いから良いラブコメはしていたので、続刊があるとすればその辺りを読んでみたい。
Presented by Minai.
- 作者: 柄本和昭,霜月えいと
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2011/07/20
- メディア: 文庫
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