火の国、風の国物語11 王都動乱 (富士見ファンタジア文庫) [感想]
ベールセール王国の王になるべく恐怖と力で支配しようとするフィリップと、王国の変化を敏感に感じ取ったジェレイドが策をぶつけ合う。先を読むジェレイドの策や、軍隊の運用方法は凄いのだけれど、それ以上にフィリップの知恵とパンドラの予言が脅威。
フィリップはアレス以上にパンドラの予言を使いこなしている。策士としての才能がフィリップにあったからでもあるのだけれど、権力を握るために行使されてしまうとここまで酷いものなのか。用意周到であるはずのジェレイドの作戦がいい様にあしらわれてしまいます。
オーガやトロールまで味方につけたフィリップの悪役ぶりが輝いていた。
そして、やはりこの物語はアレスの物語なのだと実感させられた。登場するのは終盤だけなのだけれど、その存在感たるや素晴らしい。登場の仕方だったりタイミングだったりが絶妙なので清々しいほどに格好良い。読み手もアレスの登場を期待して読まされているので、登場するギリギリの鳥肌具合といったらない。
今や同じ力を持っているフィリップとアレスですので、雌雄を決する戦いが待ち遠しい限りだ。漆黒と白銀、どちらの想いがより強いのか、何のために剣を振るうのか。今や迷いのないアレスに敵はいないのではないかな。どんなことがあってもクラウディアを迎えにいくでしょう。
面白かった。続きも期待して読む。
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火の国、風の国物語11 王都動乱 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 師走 トオル,光崎瑠衣
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2010/11/20
- メディア: 文庫
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