Infinity recollection

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サクラダリセット6 BOY、GIRL and -- (角川スニーカー文庫) [感想]

サクラダリセット6  BOY、GIRL and ‐‐ (角川スニーカー文庫)

 

相麻菫からの久しぶりな連絡は、ケイに春埼で一緒になってゴミ拾いをして欲しいという要領を得ないものだった。彼女の指示に従って交差点のゴミ拾いをするのだが――その裏では、管理局の浦地が咲良田に存在する全能力の消滅を準備し始めていた。

 

サクラダリセット――綺麗だ。

 

次で最終巻とは寂しい気もするけれど、完結が読めるというのもまた嬉しいという矛盾した感情が渦巻いています。毎回のように言うけれども、とにかく文章の表現が綺麗で、デビュー1作目とは思えない完成度の高さは素晴らしい。

 

誰かを守るためにここまで一生懸命になれるものだろうか。全てを投げ打ってでも、好きな人を想う相麻菫が切ない。ケイの好意が誰に向いているのか知っている彼女だからこそ、その姿が悲しくもあり、ケイには幸せであって欲しいと願う気持ちも分かる。

 

春埼もケイが好きだからケイのためにしてあげたいことは沢山あるし、やって欲しいこともあるはず、けれどもケイの迷惑にはなりたくないし、我侭を言ってもいいのかと躊躇したり。相麻のことにもケイを考えると素直にはなれない。

 

不器用な人たちが可愛らしいのです。

 

二人がお互いに内に秘めていたことを打ち明けていきますし、ケイも二人に対して自らの思いを語るので、欠片が合わさるごとく話が繋がっていく。相麻が死んだ理由から、咲良田という街の存在、これまでやってきたことの全てが気持ち良いくらいに詰まっている。

 

これは早く続きが読みたいですし、ここまで来ると更に期待してしまう。どういった形で収束させるのか予想できない展開は熱い。面白かった。

 

 Presented by Minai.