Infinity recollection

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恋物語 (講談社BOX) [感想]

恋物語 (講談社BOX)

 

セカンドシーズン最終巻。

 

うーん……、微妙でした。テーマは好きなのですが、どうにも蛇足を印象付けられる。最終巻でどうまとめてくるかを期待していたので、著者らしいといえば著者らしいけれど、如何せん肩透かしを食らった気分。

 

語り部が戦場ヶ原でも阿良々木くんでもないというのはありそうだったので、そこまで驚かなかったのだけれど、貝木が語り部になるとは予想していなかったので驚きました。騙し騙し通し、嘘ばっかりの貝木の本性が見えてくる

 

阿良々木くんの視点から見る貝木は相当に嫌な奴というか、黒い人なわけだけれど、貝木の独白から受けた彼の印象は、素直に自らの感情を表に出せない不器用な、それでいて賢そうに見えて案外賢くない人間だ。

 

何もかもを計算通り、思惑通りに進めていると思えばそうでもなく。思考するポイントが少しずれていたりするものだから、遠回りをしたり上手くいかなかったりする。

 

それに、文句を言いながらも戦場ヶ原の頼みをきいてしまうところは、どこかの誰かさんのようで、終盤に明らかにもなるけれど本当は良い人なのですね。終始、戦場ヶ原とつるむことになった貝木でしたが、二人の掛け合いは面白い。お互いに相手の素顔を自然と引き出しているので、凸凹だけれど良いコンビではないだろうか。

 

撫子との決着は思わぬ形でつくことになり、そこから伝わってくるものも良いとは思いますが、やはり物足りなさと納得のいかなさは残る。

 

 Presented by Minai.

恋物語 (講談社BOX)

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