Infinity recollection

ライトノベルを中心に感想を載せているサイト。リンク+アンリンクフリー。

付喪堂骨董店〈2〉 “不思議”取り扱います (電撃文庫) [感想]

付喪堂骨董店〈2〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)

 

「アンティーク」と呼ばれる特殊な能力を持った品が巻き起こす不思議なお話。道具としては力があるだけで、それを使う人間によって善にもなり悪にもなる。ミステリアスな空気と、ホラーを感じることができる雰囲気がたまらない。

 

第二章 自分

 

誰もが一度は考える定番の妄想――それがもし現実だとしたら。自分と同じコピーを作れるという仮面を使った学生が、自分の変わりにコピーに学校に登校してもらい、自分は家でのんびりゲーム。怠惰な生活を満喫する。

 

けれども、世の中そこまで甘くない。記憶はコピーと共有できるものの、経験は共有できないので、体力は落ちるし、人との距離感が曖昧になっていく。仕舞いにはコピーと自分の境界が曖昧になっていくので、恐怖を感じた。

 

個人的に今回一番面白かった。もし読み手がこの仮面を手に入れたとしたら、コピーには一日中本を読んでいて欲しいですし、ゲームをやっていて欲しい。やりたい事が沢山あるので、凄く助かります。

 

第四章 化粧

 

それまでとは打って変わってほんわりテイスト。未来を映し出すカメラで自分を撮影した咲でしたが、そこに映っていたのが白髪にしわだらけの未来の自分。これを見て、今まで化粧やお洒落に気を使っていなかったことを反省。

 

未来の自分のために綺麗になることを決意した咲は、必死に雑誌などで化粧について勉強を始めるのだけれど、読んだ雑誌がマズイのか化粧が偏った方向へ。また、化粧を学ぶうちに刻也に見てもらいたい、褒めてほしいという気持ちが芽生えていくので、読んでいて悶えます。

 

健気に化粧を気付いてもらおうとしたり、美容院にまで行くのだから相当です。最後は刻也が発した不意の一言で大いに慌てるのだが、咲らしくない対応に思わず頬が緩みました。和む。

 

面白かった。一巻から更に面白くなっていますね。

 

 Presented by Minai.

付喪堂骨董店〈2〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)

付喪堂骨董店〈2〉―“不思議”取り扱います (電撃文庫)