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絶対服従カノジョ。 1.いいか、魔眼はつかうなよ? (富士見ファンタジア文庫) [感想]

絶対服従カノジョ。 1.いいか、魔眼はつかうなよ? (富士見ファンタジア文庫)

 

第23回ファンタジア大賞 銀賞受賞作

 

高校の入学式、主人公の伊織を指差して騒ぎ出した少女マナ。彼女曰く、伊織のことを何としても服従させたいのだという。仮にも、入学式の途中なので、周囲が暴走を止めるかと思いきや、何故だか校長までも伊織を捕まえようとしてきて。

 

よくやったハゲの人。

 

魔眼の力で誰をも服従させられるマナは、初めて魔眼が効かない伊織と出合ったことで、どうにか自分のことを好きになってもらおうと行動し始めるのだが、その言動の数々が直球で可愛らしい。毎日、教室まで来ては大好きだと告げて逃げるだとか、キスしようと迫るだとか、抱きつくだとか。

 

これらが教室で繰り広げられるので、クラスメイトは堪りません。最初こそ微笑ましく見守っていたのが、徐々に嫉妬されてしまうのはもはや主人公の宿命。

 

しかし、伊織に魔眼を使うなと厳命されたから魔眼を使わなくなるマナは、彼女自身が伊織に服従している図に映るから面白い。本当に純粋で素直で、頭がちょっとばかり弱いので、仕草が逐一可愛らしいのです。

 

これでまた脇役たちが良い奴らばかりなので、読んでいて楽しい。マナを大切に思う親友だったり、伊織のことが好きな幼馴染だったり、マナに一目惚れする生徒会長もそうだ。短編集ではないけれど、さくさく章が進んでいくのは良かった。

 

軽めの文章は読みやすいですし、描かれるラブコメに前向きにさせられる。面白かった。

 

 Presented by Minai.