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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 十三番目の太陽を撃て (角川スニーカー文庫) [感想]

問題児たちが異世界から来るそうですよ?  十三番目の太陽を撃て (角川スニーカー文庫)

 

アンダーウッド攻防戦。

 

今回のギフトゲームは凶悪にして非情。勝利条件が無いので、戦うほかに道はない。巨人族と龍を相手に、真っ向から立ち向かわなければならないけれど、仮に戦ったとしても勝てる見込みはまずない。ないない尽くしで、始まりから悲壮感が漂います。ギフトゲームというよりはバトルゲームの様相になっておりました。

 

謎解きが根幹にはあるものの、バトルが印象深い一冊。

 

十六夜の強さが一人だけおかしいのは健在。パワーバランスそのものを蹴り飛ばすがごとく、最強十六夜が暴れまくる。アンダーウッドの仲間たちが敗走ムードの中を颯爽と現れて形成を逆転するのだが、台詞からなにから、背中でかたる十六夜が格好良すぎる。

 

口調やらは挑発していたり、からかって聞こえたりするけれど、力で押しつぶそうとする相手に誇りで立ち向かう。何気に好きなのは、ノリで会話する子供っぽいところだろうか。コミカルにサムズアップする絵が浮かんだときは、自然とほほが緩む。

 

また、耀と飛鳥の成長と片鱗が見れたのが良かった。それぞれの問題を乗り越えたことで、コミュニティとして力を発揮できるようになってきた。少数精鋭とはこのことを言うのだろうか、十六夜だけが目立っていたわけではなく、ノーネームの面々に加えて、これまでに登場した脇役たちまで底力を見せてくるから熱い。

 

世界観も相変わらずつかみどころがないので、読んでいてワクワクします。面白かった。

 

 Presented by Minai.