アクセル・ワールド〈5〉星影の浮き橋 (電撃文庫) [感想]
後追いで読んでいるためか、東京スカイツリーがタイムリーな話題となっていて何だか違う意味で面白い。――さて、物語は軌道エレベーターに日本のソーシャルカメラが導入されたことで、ブレインバーストの世界が拡張されるのではないかと考えたハルユキが確かめに行ったところ、イベントが発生して、というような内容。
宇宙ステージ。
軌道エレベーターを上手く利用した<ヘルメス・コード縦走レース>というイベントに参加することになるので、普段のバトルとは違って、レースイベントを楽しもうとするハルユキたちが印象的。また、空を誰よりも追い求めたスカイ・レイカーを主軸に物語を描いてるところが良い。
というのも、黒のレギオンには帰ってきたが、黒雪姫との関係はどこかぎこちない。昔に戻ったように見えて、負い目から要所で一歩後ろに下がってしまう彼女。だから、ハルユキたちはあの手この手で楓子と黒雪姫の絆を修復しようと躍起になっている。
レース然り、楓子と黒雪姫の関係修復然り、仲間と一つの目標に向って頑張る姿がいいのだ。
スカイ・レイカーというアバターの真の能力が発揮されたとき、空の限界をぶち破ろうとする姿に高揚感と充足感を覚えた。その背中を押してきたネガ・ネビュラスの仲間、シルバー・クロウの腕からスカイ・レイカーが離れたときには、心がとけたみたいに温かい気持ちにさせられました。
<ヘルメス・コード縦走レース>を通して、レギオンの連帯感を再認識すると共に、こいつらなら誰にも負けないと思わせられた。終盤の危険な伏線にも、絆で対抗してくれることを祈るばかり。面白かった。
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- 作者: 川原礫
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2013/02/09
- メディア: 文庫
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