Infinity recollection

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魔法少女育成計画 (このライトノベルがすごい! 文庫) [感想]

魔法少女育成計画 (このライトノベルがすごい! 文庫)

 

とうとう来たかという感じでしょうか。魔法少女たちの生き残りをかけたデスゲーム。

 

数万人に一人の割合で本物の魔法少女を作り出すゲームで、幸運にも魔法少女になった女の子たち。最初は魔法少女の力を人助けに使っていたが、ゲームの運営側から魔法少女が増えすぎたので半分に減らすという通知を受ける――。

 

脱落した魔法少女は死ぬ。

 

最初こそのほほんとした雰囲気で始まったけれども、唐突に無慈悲に一人の女の子が死んだことで、現実を直視せざるを得なくなる。あまりにもあっさりと死にましたと公表してくるマスコットが絶妙な気持ち悪さで実に醜悪。人の死をシステマティックに処理しているのが怖いです。

 

魔法少女にしても命がかかっているので、泣き喚いて駄々をこねるというよりは、逆に感情を押し殺して冷静になっている子ばかり。生き残るために必死です。どうやったら相手を出し抜けるのか、人間の本質が見えてくる。

 

唯一、皆で仲良くしようという姿勢を崩さないのはスノーホワイトで、彼女が物語での人間らしさを一手に引き受けているのだけれど、彼女と周りを対比させることでその異常性がより際立っていました。

 

ゲームの途中で挿入されるルール改変も凶悪で、希望が見えたところから振り落とされるので性質が悪い。面白かった。

 

 Presented by Minai.

魔法少女育成計画 (このライトノベルがすごい! 文庫)

魔法少女育成計画 (このライトノベルがすごい! 文庫)