Infinity recollection

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ココロコネクト ステップタイム (ファミ通文庫) [感想]

ココロコネクト8 ステップタイム (ファミ通文庫)

 

短編集。

 

文研部がどのようにして誕生したのかを描く「ファーストエンカウンター」、伊織と稲葉の友情を描いた「ふたりぼっちの友情」、唯と中山の女子力を上げるための企画しされたトリプルデート「デート×デート×デート」、藤島さんと文研部一年の二人がリア充について研究する「この我が道を行く疾走」、どれも不思議なことは起こりませんが、青春でした。

 

特に、「ふたりぼっちの友情」には心が軋んだ。胸が締め付けられて痛くて、けれど最後まで読むと温かい気持ちにさせられる。

 

文研部の活動が始まってから日が浅く、稲葉も伊織もお互いの距離感を図りかねている時期。クラス内でもある程度自分のポジションを確保した稲葉だったけれど、同じくクラスには溶け込んでいる伊織にはどこか違和感を感じている。

 

友達はどこから友達で、友達にはどの程度まで頼って良いのか。他人と深く関わることを避け、壁を作っていた二人が親友になれるかもしれないと思った。心の動きがまさに青春。高校に入って最初の頃は誰もが経験するような心の動きじゃないかしら。

 

しかし不思議なもので、稲葉が言うようにいつの間にか自分のいるべきグループが自然と形成されているのは、学校という空間が特殊だからなのかな。

 

また、ラブコメも相変わらずのニヤニヤぶりでした。稲葉と太一のカップルが落ち着いた雰囲気になっていて、デレばんからは卒業したのかと思いきや――やられた。これは稲葉可愛らしすぎる。流石デレばん……破壊力は凄まじい。

 

面白かった。読みやすいですし安定しています。

 

 Presented by Minai.