Infinity recollection

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明日から俺らがやってきた〈2〉 (電撃文庫) [感想]

明日から俺らがやってきた〈2〉 (電撃文庫)

 

未来で高瀬と恋人になっている桜井真人の呼び名が「変人」とは……、良い得て妙でした。いや、素直にやられたというべきでしょうか。半ば高瀬のストーカーと言っても過言ではない彼なので、その実「変人」という呼び名には納得です。

 

むしろ、主人公に「変態」とされなかっただけましでしょうし、この変態という言葉は作中にて仲良くなる同級生の香坂から主人公が散々言われますから、この辺りも上手く作られていて面白いなと。何より、恋人なのに変人というところがミソな気がします。

 

さて、物語の方は、晴れて大学に進学した桜井真人が、またも未来からやってきた俺たちの力を借りながら、高瀬が抱えていた昔の悩みを解決するというのも。その過程で、どうしても香坂と仲良くならなくてはいけないのだが――。

 

この香坂という女の子が実に強烈。口を開けば、近寄るな、気にするな、と否定と拒否の言葉しか出てこない。大学デビュー初日から浮きに浮きまくります。ですが、一見して相手を拒絶している様に映っても、心では友達が欲しいと渇望している。

 

その辺りを上手い具合に、丁寧に描いてくれたのは良かった。典型的な展開ですので、味気なく感じてしまうこともある中で、未来の俺たちを使いながら最後まで飽きさせませんでしたし、単純に読みやすかった。徐々に、彼女の内面に触れていく主人公は良かったです。また、文章が頭で絵に変換されやすいので、スムースに気持ちよく読めた。

 

未来からやって来た桜井真人の立ち位置が、明確になっているからというのも非常に大きい。無駄なく、効果的に物語りに組み込んでいるので違和感がないし、構成として美しい。その辺も気持ちよく読めた理由に繋がる。

 

面白かった。続きを読みたい。

 

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明日から俺らがやってきた〈2〉 (電撃文庫)

明日から俺らがやってきた〈2〉 (電撃文庫)