Infinity recollection

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ドラゴンチーズ・グラタン (このライトノベルがすごい! 文庫) [感想]

ドラゴンチーズ・グラタン (このライトノベルがすごい! 文庫)

 

タイトルから想像できるように料理モノの作品だ。この時点で読む前から期待していた。ファンタジーな世界観に独自の設定、そこで描かれる料理と。登場するキャラクターたちも個性的だし、主人公も駆け出し料理人で実力はまだまだだけれど才能はありそうと期待させる。

 

序盤の作品独特の設定には一歩引きそうにもなるが、料理の説明などには気合が入っていたし、誰かの為に料理を作る姿は好感が持てた。何よりファンタジーらしい食材が登場するのが良い。基礎となる調理法やら土台があって、その上で未知の食材が扱われるから違和感がなく料理を楽しませてくれる。

 

――本当にそれだけなら良かったのだけれど。

 

正直、料理だけでは地味なのは分かるし、商業なのだから売り上げ云々に関して受けもあるだろう。けれど、中盤からのバトルはいらなかったのではないかなと思ってしまう。作品の料理の仕方を間違っている印象。

 

というのも、個人的な読み心地の問題かもしれないけれど、とにかくバトル描写が読み難いのだ。料理と日常を描いていた時は物語に引き込まれたのに、バトルではそれがない。キャラクターにも途端に魅力を感じなくなってしまうし、最終的にバトルでどうしたいのかが見えてこない。繋がりがないとでも言うのだろうか。

 

料理は凄く魅力的だっただけに残念。

 

 Presented by Minai.

ドラゴンチーズ・グラタン (このライトノベルがすごい! 文庫)

ドラゴンチーズ・グラタン (このライトノベルがすごい! 文庫)