Infinity recollection

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安達としまむら (電撃文庫) [感想]

安達としまむら (電撃文庫)

 

ゆるーく百合な作品ですか。そうですか……。

 

学校をサボタージュして体育館で駄弁るような日常。少し不真面目な女の子たちの日常を描いていくのだけれど、登場人物たちの背景はそこまで語られない。さぼっている理由は何となくで、明示されないですし、私生活や家庭事情なども薄っすらとしている。

 

学園生活と女の子たちの心の動きを楽しむ作品。

 

だから、一癖ありそうな境遇にいる安達としまむらだが、展開がシリアスになることはないし、かといってコミカル過ぎもしない。バランスを保って日常が淡々と描かれていく。

 

女の子なのに女の子が好きって変だろうかと悩みながら、好きって何だろうと考える。純粋に好きなだけで、付き合いたいとかいう気持ちはないので、ただ一緒にいられれば良い。そんな心の機微が、好きになってしまった側ではなく、好きになられてしまった側から描かれる。

 

しまむらの親友を思う気持ちと安達の気持ちには少し隔たりがあるけれど、大切に思っているのは同じなのですよね。言わば、しまむらと安達の反応って幼稚園や小学生の頃に友達を他の奴に取られるみたいな感覚に近いのではないかな。変な独占欲というか。

 

そして今回もクロスオーバです。ヤシロさんの登場には度肝抜かれますが、良い具合に邪魔していて面白かった。ただ、何度も言うように物語はサラっと終わってしまうので、物足りなさが残りました。あくまで日常、なので特別なことは起こらないのです。進展もしないし解決もしないのです。

 

 Presented by Minai.

安達としまむら (電撃文庫)

安達としまむら (電撃文庫)