Infinity recollection

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ココロコネクト アスランダム下 (ファミ通文庫) [感想]

ココロコネクト アスランダム下 (ファミ通文庫)

 

スーパーマンは駄目でも、ウルトラマンにだったらなれる!

 

一巻発売から追いかけてきたシリーズがまた一つ終わりました。最後まで不器用に青々とした青春を読ませてくれましたね。仲間を信じて、友達を信じて、けして諦めない不屈の前向き精神には、本当に強いなと。読んでいて心が痛くなる状況をよく切り抜けてくれたと登場人物たちに伝えたくなります。

 

物語はシリアスな展開が続くので、終盤に光がさした時にホッとするという、何とも冷や冷やさせられました。

 

文研部だけなら、乗り越えるのも簡単なのでしょうが、文研部基準で話をし始めてしまうのは無理がある。クラスメイトたちの反応と、文研部の面々の反応とが、徐々に乖離していくのが遣る瀬無いのですよね。

 

故に、終始やきもきさせられました。

 

文研部には勝利条件と敗北条件が分かっているけれど誰にも話せないので、生徒会の言動を止めることができないという歯痒い展開が続くのです。その要因は、いつもならリスクは最小限にもっと上手く立ち回れた気がする稲葉が大人しかったことが影響しています。今回は彼女にも現象脱出への明確なビジョンがなかった印象。司令塔が不在で行動しているような状況なので、三番目の企みを跳ね返す力がないのですよね。

 

それらは仲間と心を通わせて、友達と力を合わせて、というような主軸があったからこそ、抑えざるを得ないのはわかりますが、どうにもこれまで跳ね返した現象から抱く、彼ら彼女らの強さが頭にあるので、違和感が……。文研部だけで解決するわけにはいかないので、うーん難しい。

 

その分だけ、仲間と友達の大切さは伝わってくる。相手と向き合うこと、信じること、痒くなるけどそれがいい。ハッピーエンドの終わり方は綺麗でしたし、楽しめました。後日談の短編集も発売されるとのことですので、コミカルラブコメ要素強めになるであろうそちらも楽しみ。

 

 Presented by Minai.