Infinity recollection

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インヴィジョン・ワールド (角川スニーカー文庫) [感想]

インヴィジョン・ワールド (角川スニーカー文庫)

 

第18回春スニーカー大賞 特別賞受賞作

 

美亜が可愛い。言動が猫のようで愛らしく、ドーナツを信奉しているところなども面白いですし、好きですね。逆に杏奈にはその魅力をあまり感じなかった。というのも、美亜の出番は比較的に少ないので、可愛らしさという良さが全面に出ているのだけれど、杏奈はメインヒロイン然とした扱われ方で登場が多いからか、動かせば動かすほどに粗が見える。

 

SFやゲームの要素を入れた学園異能バトル。

 

近未来MMORPG的と言えばより分かりやすいだろうか。この手の作品はどうしても説明過多になりがちで、一体何をやっているのかわからないことが多いのだが、本作は説明を省きすぎてよく分からない。

 

唐突に物語が始まるのはいいのだけれど、主人公だけが読み手よりも先を行き、何かする。どうやらそれは凄いことらしいのだが、地の文の説明がどうにも分かりにくく、微妙で曖昧な説明言葉を選択するものだから、事象に対する程度が分からない。作品が三人称で描かれているのも難しいところで、水先案内人もいないものだから、一度迷うと読み手だけ置いていかれてしまう。

 

故に、展開が終始、ぶつ切りになっている印象を与えてしまう。こうなると構成としても美しくない。場面が切れている印象を受けるから、キャラクターの言動も突拍子もなく映る。杏奈などはこの余波を受けてしまって、一般的なキャラクター像だとは思うけれど、上手くない。

 

微妙でした。

 

 Presented by Minai.

インヴィジョン・ワールド (角川スニーカー文庫)

インヴィジョン・ワールド (角川スニーカー文庫)