Infinity recollection

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超粒子実験都市のフラウ Code‐2#足跡無き刻印魔女 (角川スニーカー文庫) [感想]

超粒子実験都市のフラウ  Code‐2#足跡無き刻印魔女 (角川スニーカー文庫)

 

各研究機関の技術と成果を見せる祭典、TECHカーニバルにスタッフとすて参加することになった隼人とフラウ。巷では爆弾魔の事件が多発していて、このTECHカーニバルも標的になり、隼人たちはそれを止めるために奔走する。

 

読みやすいですね。構成が綺麗なので、違和感なく文章が頭に流れ込んでくる。描写も丁寧ですので、相変わらず素晴らしい出来だなと。SF設定が世界に浸透しているので、作中の町並みが劇的に美しく羨ましく映る。実にエンターテインメントしてました。

 

人間とロボットの違いとは。

 

ある人は人間も電気信号でやり取りしている以上、感情とは脳が出力した結果であり、ロボットと変わらないという。ある人は人間とロボットとは違うという。ロボットは人間が大好きだというし、言われた本人は大好きなのか分からない。

 

事件に走り回りながらも、悩みに悩んでいたのが良かった。フラウを女の子として好きなのかどうか。自分はフラウのことを好きになっても良いのか。フラウは本当に自分のことが好きなのか、プログラムされた感情なのではないか。一冊を通してTECHカーニバルでのロボットと人間の関係を描きながら、隼人とフラウという裏を見せる形は良いですね。

 

一冊の中で詰め込んでいるのに破綻しないのは著者の技でしょうか。面白かった。

 

――けれど、本作が最終巻!? 最後まで読んでまさかと思ったが、あとがきを読んで完結したのだと知る。打ち切りかしら……、一巻の段階で売れなかったのだろうか。先が見通せて凄く期待できるし読みやすいし面白かったのだけれどな。おかしいな……。

 

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