Infinity recollection

ライトノベルを中心に感想を載せているサイト。リンク+アンリンクフリー。

2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫) [感想]

海野藻屑のバラバラ遺体が発見された。 衝撃の書き出しから始まる物語は、けれども澄み切っていて明るかった。最終的に海野藻屑が死んでしまうことが分かっているにもかかわらず、暗くなりすぎない。登場人物たちの感情が伝わってくる文章は、読み手を強烈に…

カンピオーネ! 5 剣の巫女 (集英社スーパーダッシュ文庫) [感想]

リリアナの苦労人ぶりは応援したくなる。 個人的に好きなキャラクターであるリリアナは、護堂の騎士として――と宣言してしまっているだけに、よけい気持ちに気付いてもらえない。バランスの悪い食事をしている護堂に、お弁当を作ってきてしまうのは健気。 エ…

機巧少女は傷つかない6 Facing Crimson Red (MF文庫J) [感想]

紅翼陣を体得するため修行に励む雷真だったが、思うように捗らない。そんな時、硝子から前回夜会を勝ち抜いた魔王であるグリゼルダ・ウェストンを調べるように命じられる。夜々に代わって、小紫と共にグリゼルダの元を訪れるが――。 夏休みなので夜会もお休み…

初体験にオススメな彼女 (MF文庫J) [感想]

著者の新シリーズということで購入。 主人公とヒロインの掛け合いが強化された印象を受けた。その分だけ地の文での主人公の独白は抑えられていて残念な気もするのだが、文章の読みやすさは相変わらず。スラスラ読めてしまう軽い文章が著者の魅力だろう。 高…

人類よ私に奉仕なさい (一迅社文庫) [感想]

すべての知的生命体は「支配種族」と「奉仕種族」に分類される。人類は最近発見された知的生命体なので、「奉仕種族」として「支配種族」に奉仕する義務があるらしい。主人公である冥の元に現れた「支配種族」の仮子さんは、人類に奉仕契約を要求する。 学園…

とある飛空士への夜想曲 上 (ガガガ文庫) [感想]

とある飛空士への追憶の後日譚。 レヴァーム皇国軍の飛空士である海猫のライバル、ビーグル。天ツ上海軍の撃墜王である千々石武夫を主人公に、中央海戦争の顛末が描かれる。一度は海猫に敗れたビーグルだけれど、もう一度戦うために戦場を翔ける。 物語りは…

罪都B×B (ガガガ文庫) [感想]

微妙。前作もそうでしたが、著者とは合わないのだと再認識しました。 どの場面を読んでみても、登場人物の行動が唐突すぎるように映ってしまい何故その行動をしているのかまで理解が追いつかない。主人公は戦ってばかりなのだけれど、戦う意味が見えてこない…

脱兎リベンジ (ガガガ文庫) [感想]

第5回小学館ライトノベル大賞 ガガガ賞受賞作 宇宙人と言われ友だちのいない兎田。彼は軽音楽部に所属していながら、いないものとして扱われバンドに入れてもらえない。挙句には文化祭の練習の邪魔だからと部室を追い出されてしまう。それでも一人で練習する…

寄生彼女サナ (ガガガ文庫) [感想]

5回小学館ライトノベル大賞 優秀賞受賞作 主人公の腹から飛び出してきたのは美少女だった。少女は自らを寄生虫が進化した新しい生命体「パラシスタンス」だと名乗り、主人公を守るのだという。仕舞いには常に一緒にいるために彼女になると言い出す始末で――。…

九十九の空傘 (ガガガ文庫) [感想]

人間がいなくなった世界で、自分は何者なのか、何故ここにいるのかも分からず彷徨っていた少女は青年に出会う。青年が言うには、少女はモノに宿る九十九神で、自分も九十九神なのだと説明される。世界に置き去りにされてしまった神様たちの切ない物語。 モノ…

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2 (ガガガ文庫) [感想]

戸塚は天使で可愛いみたい。 八幡のぶれない個性に感心してしまいます。捻くれ者で引き篭もり体質でぼっちという、心底残念な彼なのだけれど、他の登場人物とのテンポの良い掛け合いが楽しすぎる。自ら率先してぼっちということをネタにしていく八幡はいっそ…

ロウきゅーぶ! 8 (電撃文庫) [感想]

昴の父親が帰ってくるのだけれど、一緒にフランス人の美少女をつれて来た。この少女、ミミが智花と同じくらいバスケが上手いので、やっとライバルらしいライバルの登場。初対面で1on1。 序盤は智花の誕生日会に招待される話なのだけれど、紗季とプレゼントを…

回る回る運命の輪回る 僕と新米運命工作員 (電撃文庫) [感想]

お菓子作りが好きなこと以外はどこにでもいる高校生の野島浩平。そんな彼の前に現れたのは工作員だという美少女ノア。彼女は浩平が運命を狂わせる存在《イレギュラ》なのだと告げ、浩平を排除しようとするが失敗。何故だか浩平の弟子として家に居座ることに…

ブラック・ブレット 神を目指した者たち (電撃文庫) [感想]

突如として現れたウイルス性の寄生生物ガストレア。人類がその脅威に気付いたときには何もかもが遅かった。世界のあらゆる国土はガストレアに侵略され、人類は数少ない安全地帯に引き篭もり仮初めの平和で生きながらえていた。 東京エリアで対ガストレアのス…

神様のメモ帳 7 (電撃文庫) [感想]

公園に住んでいるホームレスの一人は、失踪した自分の父親かもしれない――今人気の若手アイドルから、父親探しを依頼されるアリスとナルミ。さっそく人探しを始めるが、そこに改造したエアガンで武装するホームレス狩り集団の影がちらつく――。 物語はシリアス…

トカゲの王 1 (電撃文庫) [感想]

アクセラさん、何やってるんですか。 ――と読んだ人は一様に思ったことでしょう。口絵を見てもらえれば分かりますが、どこかの禁書に登場する人と似ています。もっとも、似ているだけで彼自身は性格からして似ても似つかない。 まず始めに言っておくと、異能…

青春ラリアット!! 2 (電撃文庫) [感想]

やっと帰ったかコノヤローッ! 全治一ヶ月の怪我を、一週間で退院できるまでに超回復してきた月島は愛するべきバカでしょう。ましてや退院するや否や病衣のままで全校集会の壇上に上がってしまうのだからバカすぎる。前にもやっているから生徒たちもノリノリ…

魔法科高校の劣等生 1 入学編 上 (電撃文庫) [感想]

魔法というものが世界に認知され、一般化した日本。魔法は高度に技術科され、魔法を教える魔法科学校まで存在するようになっていた。学校では才能ある生徒たちが日々魔法を学んでいるのだけれど、才能がある生徒は一科生、才能の劣る生徒は二科生と明確に分…

ルナティック・ムーン〈5〉 (電撃文庫) [感想]

完結。 世界を回帰させる。バペルに収束していく戦いもクライマックスを迎えて、生きる人間と死んでいく人間とに極端に分けられ、物語が一気に終った。 特にイユとフィオナは印象的。 これまでも危うかったイユだけれど、ついに心のバランスが壊れた。思考が…

火の国、風の国物語9 黒王降臨 (富士見ファンタジア文庫) [感想]

フィリップが大活躍。 前巻でアレスには大きな変化が訪れ、衝撃の展開で終わったわけだけれど、今回はアレスが主人公ではなく、フィリップが主人公の位置に座っていた。 これまでが不遇のかませ犬なキャラクターだった分だけ、力を手に入れてからの行動が大…

9S(ナインエス)〈5〉 (電撃文庫)

ADEM編、上巻。 勇次郎の痕跡をたどる由宇と闘真に追っ手が迫る。ADEMはミネルヴァの一件から組織存続の危機。そんな中、新に七つの大罪が表舞台に現れる。 印象に残ったのは、いなくなってしまった闘真を心配する麻耶だろうか。闘真の部屋まで訪れて、クッ…

カンピオーネ! 4 英雄と王 (集英社スーパーダッシュ文庫) [感想]

護堂は引き続いてイタリアにいるわけだが、ここでも物語はカンピオーネの戦いに発展していく。アテナに巻き込まれていく形でペルセウスと戦うことに。 リリアナが可愛らしい。 エリカとは組織からしてライバルとなるリリアナ。恋愛方面には恥ずかしさや、貞…

神明解ろーどぐらす5 (MF文庫J) [感想]

完結。 通り魔事件に思わぬところから関わることになり、まさかのサスペンスなのだけれども、序盤から全開で飛ばしている。通り魔と下校していたまりもに対して、それを引き止める台詞をいうのはいいが、その内容が凄かった。 十勝としては苦肉の策で二股宣…

神明解ろーどぐらす4 (MF文庫J) [感想]

三角関係が勃発したことで恋愛事情がややこしくなり、留萌を中心としてすれ違っていく切ない展開が描かれていくのかと思いきや、斜め上に物語は進む。 ――サスペンス。 十勝は確かに留萌に振り回される。下校を楽しむような雰囲気ではないので、留萌とだけ深…

9S(ナインエス)〈4〉 (電撃文庫) [感想]

上下巻構成の下巻。 引き続いて天国の門に関わる、KIBOUビルでの事件を追っていくのだけれど、読むほどに新たな展開に巻き込まれていくのが楽しかった。 登場するキャラクターが多く、それぞれが窮地陥るわけだが、その度に視点が切り替わることが多いので、…

斬光のバーンエルラⅣ (MF文庫J) [感想]

完結。 最後の王子となった第三王子ギュレイを一発殴るべく、城に潜入するレネ御一行。エルーランが囚われている情報を得ていたので彼らを解放しようとするのだが、その行動はギュレイに読まれていた。また、時を同じくして隣国であるヨルクが侵略してきたと…

囮物語 (講談社BOX) [感想]

撫子さん男前。 衝撃の一言。可愛らしいという言葉が似合うであろう撫子というキャラクターを気持ちがいいくらいにぶっ壊していった。化物語でのイメージはイメージとして、破壊していく潔さは著者だなと。化物語が表なら、そこから続く物語は裏。 捉え方が…