三枝零一
北極での終着点とは。 あとがきでもあるように、誰かが戦うわけではないし派手な場面があるわけではない。ウィッテンとアリス、過去の話が下巻を贅沢に使って描かれる。それが良い。 一見して退屈するのではないかという印象を持つかもしれないが、全くそん…
大気制御衛星とは何なのか。 サクラ、錬たちが衛星内に飛ばされたことで、その謎が紐解かれていくと同時に、情報制御理論やI-ブレインとは何だったのか、その誕生が描かれていく。 個人的に驚きだったのは、アルフレッド・ウィッテンが若かったということ。…
北極を舞台に、シティ・ニューデリー、シティ・ロンドン、賢人会議がぶつかる。 主要キャラクターたちが集まっていく展開にはワクワクが止まらなかった。ヘイズは独自に北極入りしていたり、そこに黒沢祐一が絡んできたり、ファンメイとエドが久しぶりに登場…
ここにきてシティの秘密が公開される。 今まではマザーシステムの善悪で考えてきたところがあったけれど、よく考えてみればその通りで。このシリーズを読み始めたときからそれは考えていたけれど、やはり問題があった。 ニューデリーの議会での政治的な駆け…
盛り上がり方が凄い。 賢人会議とシティニューデリー、マザーシステムに対して反対か賛成かで大きく分かれていて、さらにシティ内でも反対と賛成に分かれていることは分かったけれど、今まで登場したキャラクターは反対なのか賛成なのか。 各々の考えや立場…
シティ・ニューデリーを舞台に、各々が動く。 マザーシステムの秘密を暴露した賢人会議、ヘイズと共に兄姉を探す錬、シティ・モスクワ軍と月夜、全員が集合するが如く、邂逅することになるわけだけれど――。 シティ・ニューデリーでは魔法士にも政治的な地位…
凄かった。ラストの賢人会議は反則だろう。 下巻なので、物語の終わりということでの面白さはもちろんあるのだけれど、最後が全ても掻っ攫っていきました。様々思うところは個々にあるだろうが、印象に残るのは最後だろう。 終わりの始まり、まさにそれだっ…
もう一人の元型なる悪魔使い登場。 シティ・メルボルンでのディーとセラ、賢人会議を巻き込んだ騒動が描かれる。世界樹を巡り錬とフィアが戦っていた裏側では、時期を同じくして戦いが繰り広げられていた。 錬とサクラの対比。 悪魔使いと言えば錬で、彼は過…
読んでいて失速したようにも思えた。というのも、今まで以上に登場人物がいるのに、視点切り替えが極端に早かったりするので、局所的に読み難くなっていたりした。 何をやっているのか把握するので、テンポを失った印象が強く、それを把握してもあるときは次…
悪魔使いの少年と天使の少女、龍使いの少女に空賊、今までに登場した人物たちが、人形使いを巡り同じところに集う。 それぞれ独立してた物語が、ここに来て一つになったのはそれだけで嬉しい。錬、フィア、ファンメイ、ヘイズとどのキャラクターにも思い入れ…