氷結鏡界のエデン4 天上旋律 (富士見ファンタジア文庫) [感想]
――人間の本気をなめるなよ?
仲間と一緒に戦う選抜戦。ユミィの護衛任務を勝ち取るため、シェルティスたちは「四人目」の仲間と選抜戦へ挑むことになる。
シェルティスは個人の力が抜きん出ているので、今までチーム戦といっても彼の突出した個人技で蹴散らしてきた部分があった。けれど、今回の選抜戦ではチームワークが求められる。
そこで生じるシェルティスの困惑。
サポートをしながら、サポートされながらの戦いに慣れていないので、意識しすぎるあまりシェルティスの動きまで鈍くなってしまう。
気になっていたことではあったけれど、チーム力に目を向けた話になっていたのは良い。あまりにもシェルティスだけで勝ちを収めても、チームの意味が無いので。
「四人目」であるヴァイエルも凄く良い人なので、その辺りは好感が持てた。悪態をついたりするのだが、何だかんだでやってくれる。素直になれないところが良い。
加えて、そこまでの流れも上手くて、適度に人物関係を補完しながら、新しいところに持っていく。次が想像できて楽しい。
また、ユミィが可愛らしかった。モニカとシェルティスが同じ部隊にいると知って焦るのが良い。モニカが良い人であることはユミィが一番分かっているので、気が気ではない。
本編としてはモニカと部隊の話なので、物語の核に繋がる話ではないし、物足りなさも感じるのだけれど、そこに至るまでは固められたのかなと。伏線を広げているので、次はさらに期待できる。
面白かった。
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