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ウェスタディアの双星〈4〉うら若き女王騒乱に立つの章 (電撃文庫) [感想]

ウェスタディアの双星〈4〉うら若き女王騒乱に立つの章 (電撃文庫)

 

 ウェスタディア王国が一応の平和を取り戻したことで、ルシリアはジェルトルーデ領へ赴き、つかの間の休息を得るのだけれど、王子コルネリオが帰国したことで再び国内が大変なことに。

 

 国内の治安を安定させた次に待っていたのは、内乱。

 

 コルネリオは他国に亡命していただけで、継承権を返還したわけではない。これを反ルシリア派の貴族たちが利用し、コルネリオを王子にしようと画策した形。

 

 実はこの内乱には他国の思惑も絡んでいる。

 

 内輪揉めをさせてウェスタディア王国の弱体化を謀ろうとしたわけだ。当然、国力を低下させるわけにはいかないので、ルシリアは内乱を戦わず治めることを求められる。

 

 内乱の治めかたがルシリアらしくて格好良い。

 

 久しぶりにお姫様がメインのお話なのだけれど、日常を描きつつ、そこまで持っていっているのは良い。終盤にかけての流れと、内乱の治め方、盛り上がりも素晴しかった。

 

 ただ、地味な印象も受ける。

 

 政治的な動きだったり、貴族達のことをやっているから、どうしても戦闘は簡略化されてしまっている。あっさりと終るので、バドエルとアルファーニの出番が無い。

 

 ルシリアの成長が垣間見える作りになっているし、描きたかったのはそこなのだろうけれど、どうしても双星の活躍を期待してしまう。

 

 政治、外交も嫌いではないし好きですが、そこはアプローチの仕方で。今回は物語として物足りなさがあったように映った。

 

 けれども、作品の幅は確かに広がっている。文章は丁寧で綺麗だし、とても読みやすい。面白いシリーズであることは間違いない。

 

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