電波女と青春男 6 (電撃文庫) [感想]
様々な想いが再度、出会うことになる話。
青春ポイントが浮上しまくる魅惑のボーナスステージが発動――その名は文化祭。今年のテーマは「引力」なのだが、参加者は全員が小指にカラフルな糸を結ばされ、それと同じ糸を巻いている人を発見し、ペアになることでメインイベントのライブをアリーナ席で観覧できる権利を得る。
そんなわけなので、イトコはライブは特に興味がないけれども、リュウシさん、前川さんとペアだったら嬉しいよね、みたいなスタンスで文化祭に参加するのだが。
この引力に引かれたのか惹かれたのか、とにかく様々な人達が祭りに集う。
何だろうこの熱さ。終盤に行くにつれて、盛り上がり方が尋常ではないし凄い。今までの話をまとめるかのようにピースがはまり、クロスオーバーにクロスオーバーでつないで、まさに怒涛の勢いだった。
最初は階段をゆっくり上がっていたのに、いつの間にか早足になり、最後は数段飛ばしで駆け上がっていくかのように。他作品も読んでいるだけに、ニヤニヤが止まらない。
読めば分かることだけれど、イトコはリュウシさん、前川さんとペアではない。序盤でそれは判明するが、判明するまでに期待感を持たせるのはやはり上手いし、何故二人ではないのかという理由についても終盤まで行くことで納得してしまう。流石だ。
電波女から青春女へ。
エリオの青春っぶりに、思わず涙が出そうになってしまった。頑張っている姿が良かった。斜めに見れば滑稽なのかもしれないけれど、真摯な姿が良かった。あの年代にしか出来ないことはやはりあると思うし、突き抜けるような爽快感が美しかった。
それらは年齢を重ねると難しくなるもので、純粋に羨ましい。
本当に今回は、綺麗すぎて美しすぎて麗しすぎて、完璧すぎるくらいに完璧で楽しませてもらいました。面白かった。
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