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東京レイヴンズ 2 RAVEN"s NEST (富士見ファンタジア文庫) [感想]

東京レイヴンズ2 RAVEN゙s NEST (富士見ファンタジア文庫)

 

 やはり一巻は人物紹介という意味合いが強かったのだなと再認識。二巻は東京に戻ってきたこともそうだけれど、春虎たちが陰陽塾に入学したりして全体像がやっと見えてきます。

 

 作品の方向性が見えるから、楽しむべきところが分かる。

 

 春虎は土御門のネームバリューがあるので無駄に注目を集めてしまいますが、呪術に関してはずぶの素人。そのせいで、春虎を馬鹿にするような空気が起きそうなところ。

 

 ですが、京子の存在でそれが上手いこと回っていました。

 

 途中、呪術の知識がないことを馬鹿にされることはされますが、京子が何かと春虎に食って掛かってくれるので、自然と陰陽塾の中だけでそれらを完結させる流れが構築されていました。

 

 物語の見せ場であるところのバトルの部分は今後を考えつつも、しっかりやっていて、それでいてラブコメも押さえている。核となるべき話とそうじゃない脇の話とのバランスが絶妙。

 

 登場人物が増えたのが作品に良い影響を与えている。

 

 先ほどから言っている京子はその代表例で、読み始めから夏目のことが好きなのがバレバレなので、その方向性で読ませてくれるのは新鮮ですし、物語の空気を変えてくれます。

 

 大友も重要な人物の気配ですし、式神のコンも美味しいキャラクターをしている。ふり幅がありますし立ち位置が良い。そして可愛らしい。

 

 扱う描写、説明、人物が増えても、煩雑にはさせない文章、伏線など踏まえて王道で読みやすい。面白かった。

 

 Presented by Minai.