星界の紋章〈2〉ささやかな戦い (ハヤカワ文庫JA) [感想]
人類統合体からの攻撃を受けて、巡察艦ゴースロスから脱出したジントとラフィールは、フェブダーシュ男爵領にて補給を受けるがジントは監禁されてしまう。
ジントが監禁されていることを知ったラフィールはそれを助けに、ジントは前男爵スルーフと協力して脱出を図る。二人は惑星クラスビュールへ向うが、そこは既に人類統合体により占領されていた。
物語は宇宙から地上へ。
それまでは宇宙での話だったので、ジントはラフィールに振り回されるばかりの印象だったのだが、地上へ降りた途端にジントがラフィールを引っ張る。
ラフィールは宇宙に詳しいが、地上の常識はあまりないし、地上へ来たのも始めてだという。ジントしか頼るものがいないので、そこで可愛らしさが出ていた。
強気なのだけれど、不安になっているラフィールがジントの視点から透けて見える。
また、髪を染める段になったときのラフィールの慌てぶりには和んだ。青い髪が好きなんだと、染める理由は理解できても納得できない。好きな場面の一つだ。
そして上手いのは、ジントがラフィールを引っ張りつつも、肝心要で活躍するのはラフィールだということ。これで二人がお互いに引き立っている。
言葉の掛け合い、皮肉や讃辞、キャラクターの動かし方が本当に上手い。
面白かった。
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