星刻の竜騎士 2 (MF文庫J) [感想]
がおー
屍灰竜からアンサリヴァンを救った一巻から、二巻はシルヴィアの成長を描いたような物語となっている。
シルヴィアの姉であるところのヴェロニカが、アンサリヴァンを慰問に訪れたことで、妹のシルヴィアが改めて自らの目標に立ち返る、というような流れだ。
なので、物語の核心に触れるような部分はあまり描かれていない。龍騎士、竜に乗ってのアクション、敵国との戦争、そういう緊張がないのでラブコメ的な要素が多い。
ラブコメを否定するわけではないし、エーコやシルヴィアとのそれも楽しめたのだけれど、一巻よりは面白さが失われている気がする。楽しめていたところが少なかったのは残念。
また、ヴェロニカの存在が中々に曲者で。
最終的なオチが成長に繋がるからまだ理解はするが、そのに至るまでの過程が理不尽すぎるというか。登場人物含めて、彼女に振り回されてしまっていて、読んでいて不快に感じた。
基本的に彼女を止める人間がいないので、物語が力でねじ伏せられている印象を受けてしまうし、理解すると書いたオチにしても、悪い言い方をすればヴェロニカパワーでどうとでもなったわけで。
ヒロインたちの可愛らしさが溢れていたけれど、その分だけ物語が失速していた。
――さて、ここまで否定的なことばかりだった気がしますが、楽しめたことは楽しめていますし、軽さを見せつつ、無駄なく重要なところは入れ込んでいる文章は上手い。
とりあえずは、次に期待したい。
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- 作者: 瑞智士記,〆鯖コハダ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
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