Infinity recollection

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天体の回転について (ハヤカワ文庫JA) [感想]

天体の回転について (ハヤカワ文庫 JA コ 3-3)

 

 思わずな衝動買いであり、ジャケ買い。

 

 書店による前に、どうでもいいような天体やら宇宙やらの話をしている流れで、ハヤカワ文庫の棚に向ったら、これが平積みされていた。目に付いたので思わず。タイトルも気に入った。

 

 短編8作が詰まった本となっている。

 

 ハヤカワ系ということでSF、なのだが、この作品はそのSFをあまり感じさせない。確かにSFの領域ではあるのだが、詳しい説明は省いている印象もあって、それでいて不可思議なことをする。

 

 物語がダークだったりハードだったりもするので、一種、ホラーやサスペンスの要素が垣間見えるし、ファンタジーだったりもする。

 

 なので、SFらしい本というよりは、不思議な話が詰まった本と言い換えた方がいいのかもしれません。SFらしさを読みたくて買うと、ちょっと違うという感想になるのかも。

 

 表題作である天体の回転については中々楽しめた。軌道エレベーターなど使って月を目指そう、というような話だが、事前に軌道エレベーターの話をしていたこともあって、興味深かった。

 

 何より、導入部分としてはSF初心者にも優しく書かれているように映るので、そういう意味でも良い。

 

 また、他の話もホラーの中にユーモアがあったり、トリックを挟んでみたり、バラエティに富んでいる。時空争奪などは狂った感じが出ていて良かった。

 

 Presented by Minai.

天体の回転について (ハヤカワ文庫 JA コ 3-3)

天体の回転について (ハヤカワ文庫 JA コ 3-3)