探偵・日暮旅人の探し物 (メディアワークス文庫) [感想]
タイトルに探偵とあるので、ミステリーの類を想像していたのだけれど、そうではなくて。探偵は探偵でも、探偵の種類が違う、それが良かった。
捜し物を見つける探偵。
その捜し物にまつわる話で構成される。いわば短編集や連作になっているような作品だ。捜し物にしても、実際の日なものを探すというよりは、本来なら見つけられない物を探す。
主人公は人の想いなどの普通なら見れないものを視ることが出来る力を持っていて、それを使って依頼は元より、悩みを解決していく。
そのハートフルさが魅力。
基本的にサスペンスなどとは違うので、話から温かさを得ることができる。読み終わったあとに、良かったな、と思えるような話が続きます。
椅子の話から始まり、テイちゃんの話、徐々に探偵自身の話に繋がっていく流れは楽しむことができましたし、彼のことが自然と気になります。
特に陽子先生とのつながりが描かれそうで描かれていない、まだ霞がかかっている雰囲気と、その関係性が好きになれました。改めて続きに期待してしまいます。
面白かった。
Presented by Minai.
- 作者: 山口幸三郎
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2010/09/25
- メディア: 文庫
- クリック: 23回
- この商品を含むブログ (12件) を見る