ハロー、ジーニアス (電撃文庫) [感想]
タイトルが気に入ったので購入。
2019年、少子化が急激に進んだ社会で、子供達は学園都市に集められて教育を受けていた。世界ではジーニアスと呼ばれる、天才を超える天才、が出現しており、このジーニアスを受け入れているのが主人公の通う学園都市で――。
元高飛びのエースである主人公と、ジーニアスのヒロイン、二人の青春を描いていた。
主人公の高行は怪我で高飛びが出来なくなっていたところを、ジーニアスとして有名な海竜王寺八葉に、何故だか第二科学部へスカウトされるわけですが、八葉もスカウトした理由を自分で理解できていないのが良い。これらが後々になって効いてくる。
高行も怪我をしたということで陸上部を辞めようと考えているし、自主退学するところまで考えがいっているのだけれど、第二科学部に仮入部することに考えを変える。また、八葉との部活動で徐々にそれらの考えが変化していく様は読んでいて気持ちよかった。
二人の仲が親密になっていく過程は楽しめる。
陸上部の相方である灰塚との熱い展開も上手かった。高行と灰塚、お互いにどうにか過去を吹っ切ろうとしている姿が眩しかったし、言葉少なげにお互いを大切に感じていたことが分かって、青春していた。
キャラクターが真剣で全力で、一生懸命だった。本気で人生を生きている。
高行の挫折にしても、灰塚との勝負にしても、八葉の暴走にしても、それらは前を向いて全力でそれに打ち込んでいたからで。手を抜かなかったからこそ感じるもので。高行の台詞からも一部それが読み取れるけれど、単純に凄いなと。凄い青春しているなと。羨ましかった。
また、天才なのにどこか抜けている八葉、天才であるゆえなのか変な感性を持っている八葉、そんな落差がある八葉が可愛らしかった。恋愛をしたことがないので、その感情の変化にも気付いていないというもの良い。
物語の終り方も後味が良くて、二人と周りがどうなっているのか期待できる。
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- 作者: 優木カズヒロ,ナイロン
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2010/10
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