空の彼方〈3〉 (メディアワークス文庫) [感想]
不思議な防具屋シャイニーテラス、シリーズ完結。
物語が終るということで、今までのように短編集や連作のような形ではなく、ソラとアルフォンスのラブストーリーな内容となっている。
これまでもソラとアルフォンスの物語には違いなかったけれど、そこは不思議な防具に関連した話があってのことで、今回はそれをやらずに最初から最後までを二人の為に使っている。
読んでいて心が温かくなる。
そもそも、アルの父によってシャイニーテラスに営業停止命令が下ったことから話が始まるが、アルが逃げてきた貴族という身分、父に立ち向かうという流れが良かったです。
一年という月日でアルも成長していて、様々な人と出会い、ソラを守りたいという決意をするに至る。逆にソラは、シャインへの想いとアルへ想いで勇気が出なくて悩む。それは良いのだけれど……その行き着く思考が乙女らしさなのだろうか、その態度はアルに失礼だろう、とも想わなくもないのだ。
何にしても、今までがあって描かれるそれぞれの関係性が素敵でした。
不思議な防具が登場しないのは寂しい部分でもある。完結するにあたって二人の恋を描かなければ終われないのは分かるけれど、もう少しシャイニーテラスの話を読んでいたかった。
ある意味、当然の流れに落ち着いて、ありきたりではあるのだけれど、それでも素敵な物語だったということに変わりはなくて。終り方もハッピーエンド、面白かった。
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- 作者: 菱田愛日
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2010/10/23
- メディア: 文庫
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