Infinity recollection

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アカイロ/ロマンス〈6〉舞いて散れ、宵の枯葉 (電撃文庫) [感想]

アカイロ/ロマンス6 舞いて散れ、宵の枯葉 (電撃文庫)

 

 始まりと終わりが綺麗だった。

 

 いつものように漫画パートで始まるわけなのだけれど、それが何とも切ない。これを読んでから本編にいくので、その対比とつながりに胸が熱くなる。

 

 丁寧に進めてきたシリーズだけれど、今回もそれはしっかりしていて、予定調和でことが起こる。読んでいる側を驚かせつつ、当たり前のことをして。計算されている展開は美しい。

 

 景介にしても、立ち上がらないと物語は進まないわけだから、当然立ち上がることにはなるのだが、よく立ち上がれたなと。枯葉にもそれは言えて。

 

 景介、枯葉、吉乃、三人の絆が良かった。

 

 決戦に至るまで、そこを決意するまでに吉乃を持ってくる辺りが流石だ。忘れていた欠片がここで力を発揮している。やはり、最後は吉乃。彼女は不幸なキャラクターではあるけれど、作品として非常に重要なキャラクター。

 

 吉乃の素直な気持ちとか、強さ。彼女からは語られることがなかった部分が見えて、その優しさに包まれていながらも、だからこそ悲しいのが伝わってきて。景介の背中を押してやりたくなった。

 

 中盤の見せ場を作るのは上手いですし、ここに来ても勢いが衰えないのは流石。全員が全力だった。

 

 エピローグでの終り方も、続きをもう少し読みたかった気持ちがあるが、あっさりと余韻を残しつつの幕引きとしては良かったです。非常に楽しめたシリーズでした。面白かった。

 

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